第六十話 特訓開始
天使がトップアイドルを目指すというとんでも設定です。
一応王道アイドル物になる予定です。
誤字・脱字、感想、レビュー諸々受け付けております。
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エルシィに課せられた特訓はしばらくの間、歌唱のレッスン以外はストローをくわえて、それで息をすることだった。
地味に見えてかなりきつい特訓だった。
まず、息を吸えないし吐けない。
息ができないとちょっとの運動でもきつくなる。
それをレッスン中はほぼずっと。
過呼吸になったのも1度や2度ではなかった。
それは唐突に訪れた。
しばらく、辛い中特訓を続けていたある日、歌唱のレッスン中にロングトーンをしている時にいつもより声の伸びが段違いであることに気がついた。
自覚してからは早かった。
ストローでの呼吸もスムーズになっており、運動能力もアップしていた。
「第1段階は完了ね」
祐希はそう言った。
エルシィは絶句した。
正直この第1段階でもかなり苦しかったのに次があるとわかったからだ。
「第2段階は呼吸量が増えてないと意味がないからね。それじゃあ説明するわね。1日30分、その時間は息を吐けるだけ吐いて、次に吸えるだけ吸いなさい」
エルシィは安堵していた。
今回はたった30分で終わる。
そう楽観していた時期もありました。
これはこれでかなりきつい。
まず、吐き切ったり吸い切ったりするのが難しい。そして、それをするとかなり苦しかった。
たった30分とはいえ、拷問かと思うほどだった。
手を抜こうと思えば抜けたが、そこはエルシィ、手を抜くという考えすら至らずに言われたことを忠実に実施していた。
特訓の第2段階に入って数週間。
エルシィの運動能力、歌唱力は格段に上がっていた。
祐希の特訓は呼吸法による能力向上。
普通は息を吐く、吸う、これを漫然と行っているため、身体能力を十二分に発揮できていなかった。
1回で大量に吸えば酸素は不足にならず、大量に吐けば二酸化炭素を排出できる。
たったそれだけだか、効果は劇的だった。
第1段階で呼吸量を増やし、第2段階で呼吸の早さを上げた。
エルシィは一瞬の呼吸で以前の倍以上の呼吸をしていた。
それにより運動時の酸素不足を軽減し、能力向上に至ったわけである。
言うは易し行うは難し。
エルシィの経験した通り、かなり苦しい特訓であったことには変わりはなかった。
気絶しかけたこともあったし、本当に辞めたくなるぐらいには辛かった。
それを乗り越えたからこその成長であった。
「祐希さん、ありがとうございます」
エルシィは満面の笑顔でお礼を言った。
しかし、心の中ではできれば2度とはしたくないとも思っていたのだった。
つづく
※今回の話に出てくる特訓法はなんの科学的根拠のない作者の妄想です。
真似したからといって効果があるわけではありませんので、真似しないようにお願いします。




