第四十六話 巡り合わせ
天使がトップアイドルを目指すというとんでも設定です。
一応王道アイドル物になる予定です。
誤字・脱字、感想、レビュー諸々受け付けております。
ぜひよろしくお願いします!
昇は大手から順番にデモテープのコピーを送り、制作の依頼をかけ続けたが、いっこうにいい返事はもらえなかった。
ソロコンテストで名は広まったがまだまだ新人のため、1回の制作では数は作れない。
そのため、金額が上げるか採算が度外視するかになるが、ユメノプロダクションにはまだ金額は上げて制作できないため断われていた。
中小の制作会社はデモテープを送ってもなかなか対応してもらえないため、各会社にアポをとり直接交渉をしていた。
しかし、金額がネックとなりなかなか制作会社が決まらなかった。
昇は公園のベンチに腰掛け、なにか打開策はないか思案していた。
目の前には幼い子どもたちやその保護者がちらほらと見られた。
それをぼーっと見つめていたが、ふと、視界の端に座り込んでいる女性を見かけた。
どう見ても普通ではなかったが、周りの他の人は気づいてなさそうであった。
昇はすかさず駆け寄り声をかけた。
女性は苦しそうにうずくまっており、呼吸も荒かった。よく見るとお腹の大きな妊婦のようだった。
「大丈夫ですか?どうかしましたか?」
と声をかけるも、女性は声にならない様子だった。
昇は119に連絡しすぐに救急隊を手配した。
6分程度で救急車が到着し、昇は付き添いとして一緒に病院に行くことになった。
一方その頃、エルシィは歌の表現力をあげるために、街を散策しいろいろなものを見る経験を課題として縁に出されていた。
「ふんふふーん、ふんふんふーん」
未来や優花とクリスマスにきた駅前の大きな木の前に来ており、ご機嫌に鼻歌を歌いながら、街中を歩き、行き交う人や景色を眺めていた。
エルシィにとって、いろいろな人がいる光景は想像力をかき立てるものだった。
(あと人は今腕時計見てるから急いでるのかな?あっ赤ちゃんとお母さんだ、お出かけ嬉しそう)
などとかれこれ2時間ほど見ていたが全く飽きる様子なくずっと見ていた。
「嬢ちゃん、こんなところでずっと何してるんだ?」
唐突に声をかけられ、エルシィが声の方に向くとジャージにヒゲ面の中年男性がエルシィの方を見て立っていた。
「縁さんに表現力を上げるためにいろいろ見てきなさいと言われまして、それでここで色んな人を見ていたのです」
エルシィは素直に男性に答えた。
「まぁ、よくわからんがいいや。嬢ちゃん、なかなか歌上手いな、歌手かなんかか?」
「はい!ユメノプロダクション所属の月夜エルシィです」
エルシィは元気よく答えた。
「月夜、エルシィ?なんかソロコンテストで似たような名前聞いたなー」
「私はこの前ソロコンテストに出ましたよ。優勝じゃなくて特別賞?をもらいました」
エルシィはニコニコしながら答え。
目の前の男性は、あごに手をやり、少し考えた後にポンと手を打ち、
「あー思い出した。一曲の中で歌い方をコロコロ変えたやつだな。なるほどねぇ。こんなとこで出会えるとはな。そうだ、よかったら一曲聴かせてくれねぇか?」
エルシィはいいですよと答えると軽く歌って聴かせた。
「ほうほう、思ったよりいい歌い方するねぇ」
男性はうんうんと頷いて、
「もし、CDとか作るならウチに声かけな。いいもん作ってみせるから」
と言って名刺をエルシィに渡した。
「オレはサンライズミュージックの須藤だ。マネージャーによろしく伝えてくれ」
そう言って男性は去っていった。




