第四十四話 最終結果とその後
天使がトップアイドルを目指すというとんでも設定です。
一応王道アイドル物になる予定です。
誤字・脱字、感想、レビュー諸々受け付けております。
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ソロコンテスト、最終決勝戦の審査会議
議題の焦点はエルシィの歌をどう判断するかに絞られた。
エルシィの歌を高得点として認めればエルシィが認められなければ優花が優勝となる。
認めるか否かの争点はエルシィのあの歌い方だ。
優花のように2種類程度ならまだ技術的なパフォーマンスとして問題はなかった。
しかし、エルシィのように多様な歌い方は歌い方のブレともとれるし、なにより邪道に近いものにも感じられた。
エルシィに否を出しているのは審査員長含め数名。
正確には否というより認めていいのかという問題提起に近かった。
問題点として、明らかに優花の歌い方を真似たように感じた点。(リハーサルではそんなことはしていなかったとのスタッフの証言より)
次に歌手としてあれを認めてしまっていいのかという点。(ジャンルという概念すらぶち壊すものであるということ)
対する意見は真似たとしても一朝一夕で出来るものではないということ。
また、ジャンルはそもそも区分するためだけにあるためそこにこだわる必要はないということ。
そして、あんなに観客も盛り上がったのに否定してしまえば、不平すら出かねないということ。
そして、まる2時間じっくりと話し合い、妥協するのかしないのかするならどの程度するのか、今後同様のことが起こった場合の対応などがしっかり吟味された。
そして、最終結論に審査員全員が納得する形で決まった。
会場にてスタッフからのアナウンスがあり、しばらくして審査員長がステージに上がり、ことの説明を行った。
「長らくお待たせしました。今回のコンテストにて優勝決定に時間を要しました。理由はさておき、まずは優勝者の発表です」
ドルルルルルル
ドラムロールが流れ、バンっと止まると
「優勝は月城プロダクション所属、小鳥遊 優花さんです」
会場中から歓声と同時に動揺の声も上がる。
観客からしてみればエルシィが優勝だと思っていたからだ。
そして、その声の中、審査員長は話し始めた。
「今回、月夜 エルシィさんも素晴らしい歌唱でした。しかし、リハーサルではしなかった歌い方をしました。そしてそれは小鳥遊さんの歌い方の模倣と判断し、また、歌い方の安定という点で優勝から除外しました」
会場からブーイングに近い声が上がり出した。
「それで終わると彼女の歌声が評価されないことになるため、今回優勝と同等であるということで審査員会特別賞を作り、月夜さんに贈ることにしました。」
おーー!
という歓声とともに盛大な拍手が巻き起こった。
エルシィは優勝こそは逃したものの優勝と同等のお墨付きをもらったことになった。
後日、時定邸にて
昇はソロコンテストの報告に訪れていた。
「……というわけで優勝こそ逃しましたが、同等の審査員会特別賞をいただきました」
宗隆はふーっと息を吐き、
「まぁ、優勝が条件じゃったが今回は多めに見てやろう。エルシィとかいう娘の歌い方の模倣からの発展にも興味あるしの。今後もせいぜい励むんじゃな」
そう言って、すっと立ち上がりその場をあとにした。
昇は宗隆が本当に大目に見てくれたことに安堵していた。宗隆が否と言えば交渉する余地すらなかったのだ。
とりあえず、これでエルシィのアイドル活動が本番に入ることになった。
これまでのライバルや仲間に加え、さらに歴戦のアイドルたちが立ち塞がる世界への進み始めたのだった。
つづく




