第四十三話 最終決勝戦(後半)
天使がトップアイドルを目指すというとんでも設定です。
一応王道アイドル物になる予定です。
誤字・脱字、感想、レビュー諸々受け付けております。
ぜひよろしくお願いします!
ソロコンテストのオオトリとなったエルシィ。
否応なしに高まる期待。
その中でもエルシィはワクワクが抑えられなかった。
エルシィの新曲「Rainbow Bridge(虹の架け橋)」はバラード風ながらも少しアップテンポでエルシィの明るさを表現していた。
しかし、この曲を作った篤ですらこの最終決勝でこんなことになるとは思ってもいなかった。
曲が始まってすぐは少し早めのバラードで誰も違和感に気づくことはなかった。
しかし、曲が進むにつれ、いや、サビに入ったタイミングからエルシィの歌い方が代わりバラードの曲調がロック調に聞こえた。
本来、曲調は一切変わらずバラード風で終わるはずだった。
さらに2番のAメロ、サビと進む度に曲調が変わり、ポップスやクラシック風、果ては民謡風などそれこそ七色のように曲調が変わっていった。
それは先ほど優花がした歌い方で曲調が変わったように聞かせる技能の最終形のように。
人々はそのエルシィの曲を聞き、気分が高揚し、踊りたくなるような衝動にかられた。
聞いた者が一様にワクワクした。
いや、ワクワクさせられたといった方が適切だった。
悲しい気分であろうと半ば強制的楽しい気分にさせるそれは、ある種の狂気の域に達していた。
だが、それに気づく者はごく一部だった。
元々曲を知っているユメノプロダクションのメンバー、エルシィの元の歌い方を知っている未来と優花。
あとは一部の審査員。
それ以外は自分が"興奮させられている"ことにすら気づいていなかった。
舞台上でエルシィは今までで1番楽しそうに歌い踊っていた。
その姿を見て昇はミカエルが言っていたことを思い出した。
ミカエルはエルシィのことを少し特殊だと言った。
その時は天使にしては地上に憧れたり、アイドルを目指したりと言ったことを指していると思っていた。しかし今は違う。
エルシィの特殊さは人々に影響を与えすぎてしまう歌であること。
おそらく、天使の仕事も失敗していたのではなく、させてもらえなかったのだろうと昇は今聞いてる歌からそう感じた。
エルシィが歌い終わり、歓声の中舞台を降りていった。
ここから審査員による審議のため、1時間ほど休憩となるが、審査員長がスタッフに耳打ちしたあと、アナウンスで休憩は2時間でその後に優勝者を発表するとのことだった。
それはエルシィに関して審議するためだと、昇たちはすぐに気づいた。
審査員たちは会議室へと移動したため、会場は一時閉鎖されることになった。
つづく




