第三十話 魅せるということ
天使がトップアイドルを目指すというとんでも設定です。
一応王道アイドル物になる予定です。
誤字・脱字、感想、レビュー諸々受け付けております。
ぜひよろしくお願いします!
宗隆の家を訪れた翌日
時定 希美がユメノプロダクションに現れた。
その服装は有名な俳優や演出家を彷彿とさせるものではなく、どこにでもいるような会社員の服装、つまりスーツ姿だった。
「今日からあなたたちのステージでの演出を担当する時定よ。まずは現状把握したいから一通りやってみて」
3人に向かってそう告げるとおいてあったパイプ椅子に腰掛け、カバンからノートを取り出した。
3人はすぐに3曲を順番に踊った。
一通り見終わったあと希美は
「まぁ、ダンスや歌という観点からは合格点でしょうね。でも」
そこで、一呼吸おいて
「ショーという観点からはてんでだめね」
3人を見渡して、さらに
「あなた達は見てる側の視点に立ててないのよ。自分のダンスに集中しちゃってるわ。それだと見てる側は飽きてしまう。だから、これからみっちり魅せ方を教えるからね」
希美の指導はまず、客側から見た視点の説明から始まり、視線送り方、アドリブが必要な時の説明など座学的なものからステップと合わせた視線の振り方、ダンス中の目線の高さによる印象など様々に及んだ
3人もどんどん吸収していき、参考資料にと指導を受ける前撮ったものと最近撮ったものを見比べると全然違っているように見えた。
特に映像ででも目線が合うような感覚になるタイミングが存在したのだ。
ファン側からするとたしかに自分が認知されているような感覚になるのでライブ中盛り上がりが期待された。
ある日、希美は3人を集めてミーティングを行った。
「これまでの練習でかなりファンを意識したパフォーマンスは実践できるようになりました。でも、まだ基礎しかできていない状態です。正直なところこれくらいなら大手事務所ならすでにやってるところは多いでしょう」
そこで、一呼吸おいて
「これからはもっと厳しくなります。3人には少なくとも練習中や本番当日は常に見られている意識を持って下さい。慣れた常に見られている意識を」
「最初は短い時間からやりましょう。私が見ていますので、まずは30分間自由にしてみて下さい。」
3人はどうすればわからず、とりあえずいつも通りにすることにした
その瞬間
「はい、そこ、足を広げない」
と指摘が飛んできた。
未来が後ろを向くために少し足を広げた瞬間だった。
その指摘を聞いた途端に3人はこの指導がとてつもなく厳しいものであると理解し、恐怖したのだった。
つづく




