第十四話 運命の糸を束ねて
エルシィは近くにある大きい目の公園に来ていた。
そこには中心に噴水があり、住民達の憩いの場になっていた。
今は平日の昼間、辺りにはほとんど人はいなかった。
噴水の前におるベンチに腰掛けてため息をついた。
「時間がないのにこんなことしててもいいのかなー?」
エルシィは今行き詰まっていることを十分に理解していた。それでも、なんとかしようとしてから回っている状態だった。
「やっぱり少し練習しようかなー」
そう呟いて、「シャインステージ」を歌い始めた。
1番を歌い終わり、周りを見ると自分と同じぐらいの少女2人がこちらを見ていた。
少女2人はエルシィに近づいてきて、
「あなた、今の歌なかなか良かったわよ。まっ私ほどでもないけどね」
ツインテールで少し茶髪の少女が言った。
「たしかに良かったですけど、なんか歌の印象とあってませんね。まだ、不十分って気がします」
と、少しオドオドした雰囲気のショートヘアの黒髪の少女が言った。
「私は春風プロダクションの大型新人の葉月 未来よ」
とツインテールの少女は言った。
「私は、月城プロダクションの小鳥遊 優花って言います」
ショートヘアの少女も言った
「あなた名前は?」
未来はエルシィに聞いた。
エルシィは突然のことでボーってしていた。
「聞こえてないの?あなたの名前はなに?」もう一度未来は聞いた。それでエルシィはハッとなり
「わ、私はユメノプロダクションの月夜 エルシィって言います」
「あー、あなたがモールで事故に巻き込まれたアイドルね」
「私も聞きました。けっこう大きな事故って聞いたんですけど、大丈夫でしたか?」
それぞれ、エルシィの名前を聞いて反応した。
エルシィは
「はい、マネージャーに助けてもらってなんとか。それで、モールでできなくなったので来月のコンテストに出る予定なんですけど、行き詰まってしまって」
初対面の相手2思わず弱音を吐いてしまった。
「あの、今の曲ですよね。たぶんなんですけど、歌い方が元気すぎるように感じるんです。もう少し、怪しさというかクールさというか」
と優花は言った。
「この子歌に関してはかなり優秀なのよ。私が認めるぐらいにはね」
と、横でなぜかドヤ顔の未来。
「例えばですけど、ちょっと歌ってみますね」
そう言って優花は歌い出した。
♪〜〜♪〜♪〜〜♪〜〜〜
「えっ?あれ、なんで曲を?」
エルシィは今歌ったばかりの曲を歌われている不思議と、自分が感じていた違和感がなくなる感覚に戸惑っていた。
「この曲は私達も知ってるわよ。あなたは聞いてないかもしれないけど、私達3人で今度のコンテストに出るって話になったみたいよ。まぁ、昨日聞かされたはずの曲を一番だけとはいえ、ここまで歌えるこの子はおかしいとは思うけどね」
「これからユニットとしてお願いしますね。エルシィさん」
2人はそれぞれ手を重ねた。
2人に見られてエルシィは恐る恐る2人の手に自分の手を重ねた。
「いい、この私と出るんだから目指す優勝のみよ」
「後悔ないようにがんばりましょうね」
「はい、がんばります」
プロダクションの垣根を超えたユニットが誕生した瞬間だった。




