第十一話 リスタート
誓いの日からはそれぞれが忙しい日々を送っていた。
昇は身体の検査を受けながら、次のステージの手配や新人のトーナメント番組や各プロデューサーへの挨拶。
エルシィは、持ち歌を増やすために新曲の歌やダンスの練習に明け暮れていた。
篤は新曲を何本か書き上げ、麗と縁でエルシィにレッスンをし完成度高めるようにしていた。
武雄も武雄で自分の企画で事故が起きてしまったので、他の企画にエルシィの出番が作れるように動いてくれていた。
それぞれの頑張りの結果、12月24日の事務所対抗新人トーナメントに出場が決まり、ここをひとまずの目標に定めた。
トーナメントまではおよそ3ヶ月。
それまでに、武雄のモールで小さなステージを何度かさせてもらえるようになった。
そこまで回数は多くないが、場慣れは必要だったので、あとは新曲をあと最低2曲のマスターし、計3曲での出場準備だった。
曲自体はできているので、あとはエルシィ次第でとあった。
「どうよ、新曲2曲の出来栄えは?」
篤は麗と縁に率直な感想を聞くのと同時に進捗を確認してみた。
「厚にしてはいい出来だと思うけど、ちょっとエルシィにはいきなりダンスの難易度が高いんじゃないかしら?」
縁はすぐに篤に答え、そのまま麗に問いかけた。
「うーん。でも、曲の感じだと、あのレベルはほしいのよね。エルシィも頑張ってるし。なんとかなると思う」
麗はエルシィの方を見ながら答えた。
「それよりも、歌の方は大丈夫なの?最近ダンス中心だけど」
麗は逆に問いかけた
「今は歌よりもダンスに集中しないとどっちつかずになっちゃうわ。エルシィはそんなに器用な方じゃないから」
と縁は答え、
「ちょっと俺がはりきりすぎたか?」
篤が割り込むように聞いた。
「あの話を聞いたら」
「こっちも気合入るわよね」
麗と縁は続けて答えた。
「そうだよな」
篤はそう言ってエルシィの方に目をやった。
そこには必死に同じ曲のダンスをひたすら繰り返すエルシィの姿があった。
一方そのころ、昇は問題に直面していた。
つづく




