夢 その三
昨日、変な夢を見ました。
夜中の2時半に電話が掛かってきたのです。
誰だ、こんな真夜中に。
そんな思いで、妻と二人起きて、私が電話に出ました。
受話器を取ると、交換手みたいな人の声に続いて、
精神を病んだような女性の声が聞こえました。
彼女は言います。
「死にました」と。
私は「誰が死んだのですか?」と訊きます。
すると、「秋月しろうさんです」と答えたのです。
「……」私は妻と顔を見合わせて、どういうこと? と訳がわからなくなりました。
たぶん、精神を病んでいる人の妄想か何かなんだろと考えましたが、
「どうして?」と訊いてみます。
でも、彼女からの答えはいくら待っても返ってきませんでした。
――不気味な夢でした。
「秋月しろうさんです」にはものすごく現実味がありました。
実際、電話で耳の奥へそう言われると慄然とします。
「何かの予言なのだろうか?」
死を宣告されたような気持ちです。
不安な気持ちを抱きながら一日を過ごしましたよ。
ま、今のところ生きていますが。
夢の中では、私は数え切れないくらい死んでいます。大抵は殺されるのです。
ナイフなどの刃物で刺されることが多いです。刺されて意識がフッとなくなると同時に目が醒めます。
同じパターンの殺され方があります。私が寝ていると、頭許の襖がスッと開きます。その気配に気づいて、寝ながら顔を斜め上に上げると、見知らぬ男が立っています。「誰だ!」と思う間もなく、男は素早く私に覆い被さり、持っている刃物で私の腹部を刺します。痛みなのか何か分からないけれど、とにかく苦しくて声も出ません。すぅーっと意識が遠退いていきます。
「あ、これは死ぬんだな」と感じます。そして、「死ぬんだ、もう死ぬんだ…………、わっ、死んだ!」と思った瞬間に目覚めるのです。
最初の頃は自分が本当に死んだのではないかと、自分で自分の身体をさすりながら疑うほどでした。でも、何度も何度も同じことを繰り返していると、意識が遠退くのは同じだけれど、
「夢だ、絶対これは夢だ。夢のはずだ……」と思いながら目が醒め、
「ほら、やっぱり夢だった」と安心して目覚めることになります。
夢の中で死ぬのはそんなに悪い予兆ではなく、「死と再生のテーマ」などとも聞いたことがありますが、私は何度再生したか分かりません。再生するのなら、止揚して、以前よりも生き方のレベルが上がっていればいいのに。まったく同じことを繰り返すだけなら、もうそろそろ勘弁してほしいものです。お願いだから。
(2014.12.9 mixiから)
最近は、この『頭許の襖がスッと開いて……』という夢は見ないが、殺される夢はたまに見せられる。まだ、お前の心にはそういうものが眠っているのだと念を押されているようである。鶴亀鶴亀。




