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#10 『元天文部と彼女たちと戦争(テスト)開始』



「さ、さぁっ! や、やるわよっ!!!」



「「「…………あー、はい。」」」



日曜日、俺の家で再度勉強会をやろうということになった。

欠席者は一名。


この、冒頭からやる気だけは十分の琴吹刹那の妹であり、

姉の学力アップのために自らを犠牲にした姉思いの琴吹朱希奈である。

しかし、彼女の努力空しく……。

姉はあれから1ミリも学力が向上していないという(朱希奈談)ことで


我ら、少数精鋭でありながらも

彼女の幼馴染の俺、高嶺一星と

悪友である塚本海里、転校生(昨日でちょっと打ち解けた?)天河音姫

の三人でこれから、この『努力とかそんな次元でどうにか出来そうもないもの』

を相手にしていくのである。


わが軍はすでに白旗を掲げながらも、突撃体制である。

命なんぞ、とうに捨てた。



「琴吹、浪人生は楽しいと、聞く、ぞ…?」

一連の話を『努力とか…以下略』本人から聞いた海里は

ひきつりながら、それでもフォローすることを忘れずに言葉を投げかけた。

いつもであれば、言い返す刹那であったが、

「うぅ…」と小さくなっている。

珍しいなんて思ってなんかいられない。

今の状況。 そんなことすら考える時間が惜しい。

今、彼女がやるべきことは一つ。



「勉強漬けだ! もう、勉強漬けしかないっ!」

「そ、そうだね、いっくん! 人間やれば皆出来るっ!」


やっても出来ない人間がちょうど目の前にいる!

なーんて、身も蓋もないことは

我ら少数精鋭、暗黙の了解でスルーである。


というか、さっきの言葉は刹那に投げかけたのではない。

我らの士気を上げる言葉である。

効果は一時的どころか、発揮せずに終わる予感バリバリだが

それでも俺たちはもう一度戦闘態勢へと入る。


「いいか、琴吹。 考えるんじゃない。 感じるんだ!」



海里の言葉を皮切りに俺たちはどんな方法も試した。




暗記術、暗記パン、トイレ暗記、赤シート、ひたすら書く、聞く、話す




その攻防はテスト翌日の朝まで続くことになった。



6月20日。 皆で勉強しながら登校(鬼の形相で)。



現在、琴吹刹那、天河音姫、2泊3日 


塚本海里 3泊4日




を経て、決戦。



一日目


英語W 倫理 古典


二日目


物理 数学C 現代文


三日目


生物 英語R 政治経済


四日目


数学Ⅲ 化学 選択教科




この時間割となっているが、はたして刹那は無事クリアーすることができるのか。


ちなみに赤点3つ以上であると、

部活動停止、卒業見込み取り消し、受験活動停止

となるのがうちの学校のシステムだ。


刹那は勉強でいける確率がいや、もう言葉に表すことのできないくらい

つーか、言葉に表す必要性皆無なくらいに

無理なので、AO受験や推薦受験で行くのがベストだ。


そのため今回、赤点は回避せねばならない。

教科によっては救済措置(補習や講習、追試験)がないのもあるので

1がついてしまったら、赤点一つでも

卒業見込み取り消し=受験活動停止

となってしまう。


刹那が最も苦手な理系は特に救済措置をとられないことが多い。

ここを回避しなければ未来はないだろう。



「いいか、刹那。 一日目は無難に行け。 必要以上に頑張るな。

 俺等は『赤点を取らない』勉強法を施した。

 出来なくても落ち込まず、一つ一つ出来る問題に全集中力を注げ!

 いいな?」


「は、はいっ!」


隣の席にいる刹那にエールを送ると、

海里が後ろを振り向き、俺等は頷きあって

拳と拳を交わす。

そして、俺と海里の二つになった拳を刹那に突きつける。

刹那はちょうど真ん中くらいに拳を突きつけた。


この瞬間俺たちはクラスメートではない。

ましてや、悪友でも幼馴染でもない。


戦友。


同志。


己に打ち勝ち己が望む勝利を手に入れようとする兵士であった。


テスト中は確かに孤独だ。

しかし、周りには同志がいるのだ。

共に闘ってきた戦友がいる。


さぁ、刹那!


今こそ、お前の力を見せてやるんだっっっっ!!!!!!!!!!























「ね、寝てなくて白紙で提出しちゃった。」




「「………………。」」






………………………。





………………で、ですよねぇぇぇぇぇぇ~~~~~~~~(笑)



実は、これ、私の経験談だったり笑


一星側か刹那側かの経験談かは言いませんが笑

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