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【なろうラジオ大賞3】

先生のお味噌汁 ~お味噌で繋がる運命~

作者: 桜橋あかね
掲載日:2021/12/27

『なろうラジオ大賞3』の『お味噌汁』編です。


それでは、どうぞ。

天谷(あまたに)先生、入ります。」


小説家の天谷千春先生に仕える、私。

秘書兼、身の回りのお世話をやっている。

今年で15年。意外と長くやっている。


「おう。」


私は、先生の机にご飯を乗せたお盆を置く。


「毎回、済まないな。」


先生のご飯を毎食作るのも、私の役目。

一度も結婚はしていないようだし、家政婦も雇っていない。


そこの所を聞いてみた。


「……お前のお味噌汁が、死んだ母さんの味なんだ。だから……結婚はしないし、家政婦も雇わない。」


そう、私の作るお味噌汁が『母の味』。

初めて聞いたときは、驚きつつ……ちょっと嬉しい。


結ばれても良いのかな、なんて思った時もあった。

………でも、そこは一線を置く。


あくまでも、先生は先生だし。

私は私。

先生は、私のプライベートは一切聞かない主義なのだ。


1つ、先生が私に聞いた事がある。


「……味噌汁の味噌、何処のを使っているのだ?」

まさかのお味噌汁の『味噌』だ。


「実家から、毎月送ってくる味噌なんですけど。春賀(はるか)屋の味噌を使っているのです。」

『春賀屋』の言葉を聞いた途端、先生は目を見開いた。


「俺の母の実家なんだ。春賀屋は。」


「えっ?」

どうやら、春賀屋の次女として生まれた娘が先生の母親らしい。


「でも、どうして春賀屋の事を知っているのだ。」


「実は、私もその家の関係者で。」

私の父は大工をしていて、春賀屋に専門的に仕える身だった。


「そうか。」


私自身、そこの所の話は知らなかった。

表情からして、先生もそうだろう。


でも、まさかこうして『糸』が繋がった身だったとは。

ある意味運命、なのかな。


その後も、『先生と秘書』としての関係ではあるが……続きました。

『春賀屋のお味噌』と一緒に。

読んで頂き、ありがとうございました。

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― 新着の感想 ―
[一言] 知らないところで繋がっている。 まさに糸を思わせる作品でした。
[一言] 食卓のような食事をするテーブルではなく、仕事場と思われる先生の机に盆を置くあたりが面白いです。助手にしようかお味噌汁にしようか、どっちに寄せようかという悩みながらの文章が、1000字の制限と…
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