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エーリアとの対面

「じゃあエーリアと入れ替わることができる方法があるなら教えてくれる?」


「へ?」


エーリアは鳩が豆鉄砲を食ったようなポカンとした顔をした。


「だからエーリアの体をエーリアに返したいんだけど俺の意識とエーリアの意識を移し替えるにはどうすればいいの方法はないのかって聞いてるんだが?」


からかうために浮かべていた嗜虐的な笑みをいつもの笑顔に戻しながら首を傾げる。


「え……私の体を支配して私が見てる目の前であんな事やこんな事をするんじゃなかったの?」


「あーそれ噓。そんなことするわけないじゃん」


真顔で答える。もとよりそんなことするつもりなんて一ミリもなかったのだから。


「人として小さいおいたいけな少女の体を故意に汚させるわけにはいかな……ってごめんごめん!やり過ぎたとは思ってるから!」


冗談だと分かったエーリアはぺたんと床に座るとしくしくと泣き始めた。


「体はもちろん返す、返すし何もしないと神に誓うから泣き止んでお願いします!」


30代に届こうかと言いう男性が泣いている少女をどうなだめようかとあたふたし最終的には土下座までしだす不思議な、異様な、なにより犯罪臭のする空間がそこにはあった。


その後もしばらく泣き続けたエーリアはやっと泣きやんでくれた。


「体を返す方法は簡単よ。あなたがそうしたいと思えばいいの。その返すか返さないかは私じゃなくてあなたが持っているんだからね。返した後もいつでも入れ替わることがだきるわけだしそれをされれば私は強制的に交代させられるの」


涙で赤く腫れた目を擦りながらエーリアは言う。


「わかったなら今すぐにでもエーリアと交代する」


「ただ!私はあなたの記憶に興味があるの精神体じゃないと記憶を見ることはできないしここって案外居心地良いいいのよ。だからまだ返さなくていいわ」


「ふーん精神体だと記憶が見れるのか……意外と便利なんだな」


そこそこ便利な精神体に感心した。


ふとやましい記憶がないか不安になったが言えばむしろ探られるからあえて言わない。


「ま、そういうことだからせいぜい感謝しなさいなんならエーリアお嬢様とでも呼んでもいいのよ」


ふふんと胸を張りながらエーリアは言う。


「そうか……ところでエーリアお嬢様」


とてつもなく大人げないが少しイタズラ……もとい教えてあげないといけないことを伝えなければな。


「な、なによ?」


「私めがここに呼び出される前なにがありましたか?」


「えっと……」


必死に頭をひねっているがなかなか出てこないようだ。


「トイレに行こうとしてたと思うのですが大丈夫で?」


このままでは手遅れになると思った俺はまんま答えを言った。


「そうだった!早く、早く代わって!」


やっといま偉ぶっている状況じゃないと理解したエーリアは俺に駆け寄ってきて揺さぶる。


「いやいや代わろうとするにしてもこんなふうに揺さぶられたら考える暇が……」


「いいからすぐに思い浮かべるの!交代って思い浮かべればいいの!」


エーリアに揺さぶられながらも必死で交代と念じ続けると研究室のど真ん中にシュペー家のトイレの扉と同じ意匠が彫られた扉が現れた。


「いい!私の意識が体に入った瞬間からこっちにも聞こえてる音が入ってくるし目を開ければ風景もあのスクリーンに見える。言いたいことはわかるよね!絶対に見ちゃダメよ!私が良いって言うまでは絶対に見ない!聞かない!」


扉に体当たりするような勢いでドアノブに手をつけたエーリアはそう叫ぶと目にも止まらぬ速さで扉をくぐり閉めた。


「耳を塞がないと聞こえるけど外の音が聞こえて塞ぐと良いって言われても気づけないっていう矛盾が生じるんじゃ……」


誰もいなくなった空間で俺の言葉だけがむなしく響いた。


エーリアの意識が戻り始めたのか外の音が聞こえ始めスクリーンも明るくなってきたので俺は諦めて耳を塞いでいることにした。


「ほら、照本もう良いわよ。まったく本当に律儀に守ったのね。守ってなかったらこのどうにかして復讐してやるところだったけど」


肩を叩かれてようやくエーリアが帰ってきて後ろに立っていたのだと気がついた。


「さてと、私の体もついさっきお風呂とか諸々をすませて私の部屋のベットに寝かせてきたことだし今後の事について話し合いましょうか。……とその前にただ黙々と話し合うのは退屈ね。せめてお茶と椅子ぐらいは用意しましょうか」


エーリアがパチンと指を鳴らすとなにもなかった空間から2つのカップと1つのティーポットが現れた。


「どう?便利よね1度でも味わったことがあるものなら再現できるのよ。ただ精神だけだから腹にたまらないけどね。照本もいるでしょ?いかがかしら?」


唖然とする俺に向け右手に2つのカップ左手にティーポットを持ったエーリアは可愛らしくウィンクをした。


「ははは、これはかなわないな。確かにそんな重いテンションでやることでもないし、一杯もらうよ」

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