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貴族と平民


「2つね。どうぞお口に合うかは分からないけど私はお気に入りなの。そういえばあなたは何処の惑星出身?」


黒仮面の少年に紅茶を渡したエーリアは自分のカップにもcm3はあるそこそこ巨大な角砂糖を10個も入れた。


いつも思うがエーリアの紅茶はもはや紅茶ではなく色つきの砂糖水なんじゃないのか?


「出身は……えーとそうそう第14惑星だよ」


少し言葉につまりながら黒仮面の少年は答える。


「へぇ第14惑星から来たのね。どっちの出身なの?南側?北側?」


何故そんなことをと思ってしまいたくなるが黒仮面の人が第14惑星出身なら当然の事だ。


第14惑星は南側つまり公転軸から垂直に見て下側と北側で環境が150度ほど違うのだ。


南側は温暖な気候に恵まれた地域が多く貴族が多く住んでおり生活水準も北側と比べるとやや豊か。


対して北側は資源が豊富な為工業系が盛んであり艦艇の心臓部、"魔導変換機(ヴェールベーター)"の一大生産地でもある。


その為シッフメンシュと呼ばれる艦艇建造専門の船大工が多く住む傾向にある。


エーリアの質問は遠回しに『君は貴族?それとも平民?』と聞いているわけだ。


エーリア本人は恐らく平民であってほしいと思っているだろう。


貴族だと変なお家事情やらでせっかく仲良くなったのに仲を引き裂かれると言う事態が大いに有り得るからだ。


「……北側出身だね。」


エーリアが問うてからさほど間をおかず黒仮面の少年は答える。


「君は何処の惑星出身?こんな見たこともない物を持ってるから名のあるシッフメンシュの娘とか後は裕福な商人の娘なのかな?」


「私は第27惑星出身よ。一応貴族の娘だわ。没落しちやってるけどね」


自嘲気味に微笑みながらエーリアは答える。


「申し訳ありません!傷に触れるような事を申してしまいました……貴族様に向かって気軽な口調でなどとんでもない事でした。非礼をお許しください!」


貴族と聞いた瞬間に黒仮面の少年は椅子からガタッと立ち上がるとエーリアの右隣で申し訳なさそうに黒仮面が俯く。


「そんな事やらなくて良いのよ。さっきも言ったでしょう。没落と。……私の出身であるシュペー家の収入なんえ裕福な商人達よりもずっと低いわ。貴族てよりは平民みたいな生活だし私自身よく町の子達と遊んでたのよ。そんな畏まらないで全然良いわ。と言うよりむしろ畏まらないで。さっきみたいに気さくな感じの方が私も気楽なのよ。だから……きゃあ!?」


生まれてからあまり貴族という意識を持っていないエーリアは慌てて黒仮面の少年を立ち上がらせようと立ち上がろうとした瞬間テーブルの脚に躓いた。


そのままエーリアは床に落ちたしかしテーブルもその後ろを追うように倒れてきた。


「っ!危ない!」


だが突然エーリアが転んだ事に驚き身を強ばらせていた黒仮面の少年が我に返り素早く両手を伸ばしすんでの所でテーブルを受け止めた。


ガチャガチャンと受け止めきれなかったティーカップが床に落ちて割れまだ湯沸かし器の中にあった湯が黒仮面の少年の頭に降り注いだ。

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