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照本

『良いか照本お前は誉れある帝国海軍軍人の血を受け継ぐ者なのだ。だから決して屈してはならんぞ』


祖父は死ぬまで俺に耳にタコができるほどこの言葉を繰り返した。


正直なところ元帝国海軍の軍人の孫だからって誇りがあるとかなんだと言う話だが、それでも俺は祖父が語る戦争の事を恐ろしいと思いただ同時に1つの目的のために洗練された艦艇群に魅了された。だから俺はここにいるのだろう。


「RLミサイルもやっと完成にこぎ着けたか」


ここは日本国某所の研究施設


隣に鎮座するのは俺の身長の3倍はあるミサイル、ただこれは攻撃するために作られたものではない。


これはMJ社唯一の兵器設計者である俺が防御に特化させて作ったミサイルの試作品だ。


「正直ミサイルは好みじゃないんだが遠距離防衛だとこれが効率的で扱いやすいから仕方なし」


そう言って試作されたRLミサイルの表面を撫でるが俺の頭では洋上に浮かぶ城が浮かんでいた。


「最近のはただひたすらにミサイル、ミサイル、水爆なんて頭おかしいものも出てくるしで不謹慎な言い方をすれば『興ざめ』なんだよな」


世界中で多数の犠牲者を出した第2次世界大戦中期戦場を駆け抜けた戦艦、巡洋艦、駆逐艦、その他の艦艇たち。巨大な戦艦から撃ちだされる砲弾、駆逐艦が放つ魚雷、1機でも撃ち落とさんと火を吹き続ける機銃、広角砲その全ては無駄に発達した電子技術ではなく扱う人の感覚、経験によって支えられ戦果を上げてきた。犠牲者が出たことは痛ましく思うが、ミサイルが全てではないあの頃の艦艇が今もなお動いてくれればと何度思ったことか、ミサイルが使われることもなく全力の接近戦の準備をしていればさぞよかろう。


「戦争は嫌だけど艦艇や武器は好き……矛盾かも知れないけど俺はそれが間違っているとは思わない。」


これも祖父の言葉の影響なのかは自分もわからない。


「さて今日のデータ収集も終わったし家に帰ってプラモ作るか宇宙戦艦も作りきれてないしこの前作った響のプラモの2個目も作りたいしな。最近は残業が多くてまともにプラモ作れてない……」


ため息をつき実験室を出ようとしたとき室内を真っ赤に染めるランプの明かりと共にアラームが鳴り響いた。


「これは!ハッキングがされてるのか!?」


俺は足をもつれさせさせながらミサイル近くのコンソールに飛びつく。


さっきのアラームはサイバーテロにさらされたときに鳴るようになっているものだ。


しかしこの実験施設のシステムは外部から完全に独立しているはずで手出し出来ないはず……


「っ!狙いはRLミサイルか!これは試作だからまだ外部と繋がっている。バックアップデータも存在しないからここを吹き飛ばせばこの国の兵器開発は俺が設計を担当する前に戻り俺を含めた研究員もまるごと爆破されるわけだ。だがそんなことはさせない!」


俺はコンソールのメニュー画面からRLミサイルの制御プログラムの欄を呼び出すと、やはりいくつかのプログラムが書き換えられていた。


そこからは目に見えない相手との戦いだったが、決着はすぐに着いた。


相手が即時起動のプログラムに書き換えたのだ。


つまり俺の負け、劣勢から覆すことは出来なかった。だが


「ただ向こうもわかってないな。俺は兵器が好きだがそれが無闇に人を傷つけることは許さないんだよ!。無益な被害や死傷を平時いや有事にも出させては設計者の名折れ!」


即時起動とは言ってもミサイルが爆発するまで数秒の余裕がある。そう作ってあるからな!何か起きても止めれるように試作品には必ずこの機能を付けているのだ。


RLミサイルの弾頭の空力カバーを外し先端に装着されている信管を抜き出したが、時間的に何処にも影響を与えない場所に投げる時間はない。


「死者1名……か自分の命だ全然安い俺の研究データは必ずうちの研究員達が平和のために使ってくれることだろう。使わなかったっら呪ってやる」


人間の肉と言うのは、ある程度は衝撃を吸収できる。


俺は自分の体の中央に信管を抱え込んだ瞬間

起爆、俺の体は見事なまでに爆散した。

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