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対峙10

「浮かない顔だね? 思ったほどではなかったのかな?」

「いいや、もう勝ちは決まった。なにがあっても、負けることはねぇ」

「戯言を‼‼」

 俺の言葉に反応して二手に分かれ、襲い掛かろうとするドラゴンだが、


「なにをしたッ⁉⁉」

 次の瞬間には反対を向いていた。

 無造作に放り出した尻へ目掛けて、クライフが魔法剣を突き込む。


「ハアッ‼」

 小さくまとまった突きは出が早く、隙も少なく威力は十分。

 ただ長さは足りないため、尻にまでは届かず、膝の裏辺りに剣が刺さる。


「無駄なことを‼‼」

 すぐさま刺されたドラゴンは尻尾で払い、クライフは離脱。

 半透明な体からは血が流れ出ることもなく、痛がる素振りさえも見せねぇ。


「尻尾からは風圧を感じたから、無いのは翼だけのはずなんだけどな」

「手応えは?」

「柔らかかった」

 これは不透明な方、ドラゴンの肉体と比べてってことだろう。


「それにしても見た目におかしいところはねぇし、条件でもあるんだろ」

「今度は攻撃に合わせて反撃してみようか?」

「それが手っ取り早くはあるが、無駄に危険を冒す必要はねぇよ」


「なんだ? 守ってくれるのか?」

「そのための仲間だろ?」

 違いない、と笑い合う。

 いつかではできなかったことだ。


「っつーわけだ。フェリシア。力を貸してくれ」

「えっ? あっと・・・はい‼」

 離れた場所に居たフェリシアだったが。贅沢にも、空間転移ですぐ後ろへ来てもらった。

 驚いてるのはそのせいだな。


「物理障壁と魔法障壁の強化結界を展開して欲しいんだ」

「二重結界ですか? どちらを内側にしましょう?」

「いや――あぁ二重結界ではあるか。でも、そうじゃなくてな。線が見えるだろ?」

「はい・・・さっきゼネスさんが出した結界ですよね?」


「アレの1マスを埋める強化結界が欲しいんだ」

「1マスを埋める・・・1つずつ、ではないんですよね?」

「そうだな。10もあれば足りるだろうさ」

「合計で20個だと、その・・・魔力が・・・」


「気にするな。そっちは俺が補助する」

「っ! わかりました! 任せてください‼」

 不安そうな表情は一瞬のこと。

 雲を晴らすように意気込んで、結界作成に着手する。


 その間。俺はと言えば、

「豪快に私の魔力を消費していくね? 2種類の結界なんて、どう使うつもりだい?」

 ジーナから魔力を吸い上げ、フェリシアへ横流しする。


「そりゃぁ盾にするさ。ドラゴンの攻撃は俺の身体じゃ防げねぇからな」

「・・・・・・なるほど、そのための線というわけだ」

「偶々だ。距離を測るには、ちょうど良かったんだよ」

「できれば、俺にもわかるよう話して欲しいな?」

 当事者なんだぞ? と、茶化してクライフが混ざる。


「そう言われてもな。見えてるんだろ? 薄々わかってるはずじゃねぇか」

「それはそうなんだけど、変な感じだな」

「この現象も研究したいところだけど、使い道がないかも知れないねえ? こんな使い方ができるのは君だけだろうし・・・」

 アッと今に並べられていく強化結界を前に、舌を巻いた。


「出来ました! あの、結界の位置なのですが・・・」

「ああ、大丈夫だ。見えてるからな」


 本来、結界は見えないように張る。

 その方が効果的だからだ。

 フェリシアも、そんなことは知っていて、今回も同じようにしたはずだ。


 しかしなぜだか、俺達には結界の位置が見えていた。

 感覚的には、結界が存在するマスに色が付いているように見えるんだ。

 横2マス、縦5マス。それが2つ。


「何色に見える?」

「赤と青だね」

「え⁉ 金と銀じゃないのか!」

「俺には白と黒に見えるな」


「どっちがどっちだろうね?」

「やってみりゃわかるさ」

「不安になるような言い方をするなよ‼」

 確認は大事だぞ! と、当事者だけが叫んだ。

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