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対峙7

「何か思いついたのか?」

「気付いたことが1つと思いついたことが1つと言ったところだね」


「気付いたこと?」

「さっきの風で確定したけれど、半透明な方の翼は機能していないね」

 言われてみれば、半透明なもう1頭が姿を現したのは元のドラゴンが飛び上がった瞬間だった。


「あの風圧を片方だけで? しかも、そんなことがよく分かったな」

「いやー驚きだろう? 流石はドラゴン、流石は私と言ったところさ。天才の称号は伊達ではないよ。まあ、ギルドの女王とは知らぬ中ではないしね」

 意外なところが出てきたが、ギルドマスターは確かに風魔法が得意だった。


「思いついたことってのは?」

「それこそ、君がさっき見せたアレさ」

 もしかしなくとも空間転移のことか。


「だがアレには――」

「魔力が必要なんだろう? それも、かなりの」

「そうだ。俺の魔力じゃ良くて2回が限度だ」

「けれど、それは君の魔力を使うからだ」

 ヌルっと近づいたジーナは、俺の手から魔力回復用の丸薬を盗む。


「おい」

「そろそろ魔力酔いの上限じゃないかい? 私なら問題ないよ」

 見せつけるようにそれを口へ運ぶ。


「実のところ。私は今、機嫌がいい」

「そうだろうな」

「それは君に頼られたからというのもあるのだけど、それ以上に」

 怪しく笑いながら、戦場とは思えないような紅潮した顔で言う。


「私の魔力で次元魔法が使えるかもしれないという、一大事件が起きているからさ!」

 両手を広げて格好をつけてまで言うことか?

 口には出さなかったが、表情には出たんだろう。


「分かってないね。これはとんでもない事件だよ? 適正というのは今まで、生まれ持った魔力との相性とされてきたんだ。それが覆る瞬間なわけだ! 研究者に興奮するなというのは無理な話だ‼」

「状況を見て言えって話だ」

「もちろん。失敗だったなら手詰まりかも知れない。けれど、成功したなら負けはない・・・・・・違うかい?」


「幾らお前の魔力が俺の何十倍あろうと、ドラゴン相手に無制限なんて真似は―――」

「おや、そんなことか」

 そんなことって・・・と言おうとしたんだ。


 だが、ジーナはごく当たり前のように続け、

「君が人や生物だけじゃなく、モノや道具からも魔力を吸収できるのはもう知っているよ? そしてここには、ほら!」

 胸元から取り出したのは虹色を反射する玉を掴んだ指輪。


「虹霓玉。これはドラゴン、それも私達をここまで運んできた龍王の魔力を固めて出来たものだよ? わすれたのかい?」


 そういや、あったなそんなもん。

 ドラゴン共の近くに居すぎたせいで、その魔力を感じてもそういうもんだと流してた。


 ああ、確かに。

 もし、思った通りのことができるなら。


「負けるわけがねぇな。あぁ、負けようがねぇよ」

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