足手まとい?
期待されてるなら答えるべきだ。出来る限りは・・・な。
つっても、残りの魔力は半分程度。元が少ない俺の半分じゃ超弩級相手に傷をつけることも出来ねぇだろう。
回復手段の丸薬もあるにはあるが、使えるのはあと2回。それ以上は魔力酔いが出る。それに、帰り道のこともある。それを考えりゃ女王に使えるのは1回だ。
まぁ、回復したところで出力上限は元の魔力量だから問題は変わらねぇんだが・・・。
連れて来た仲間たちを見る。
「あれは・・・・・・本当に生きているものなのでしょうか・・・?」
「ア、アレと戦うんですか⁉ 冗談ですよね⁉ 死んじゃいますよ⁉」
駆け出し二人は女王の姿に茫然と飲まれ、
「あれが・・・女王・・・」
A級パーティーのリーダーでさえも、唖然としてやがる。
これじゃぁな。
一人でやった方がマシか?
「冗談じゃねぇよ。他の奴らが気を引いてくれてるおかげで統率が乱れてる。その間にさっさと囲いを貫けて女王を殺す」
「待ってください‼ 無理ですよ‼ あんなの⁉ 僕なんかになにが――」
「――やることは一緒だ。お前たちには周りの雑魚を処分してもらう」
「それでどうする気だ? あんな大きなモンスターをそんなに簡単に殺せる手段があるっていうのか⁉」
「長く冒険者をやってりゃ、ああいうのに出会うこともある。当然、そういう時のための切り札も用意することになるんだよ」
「それはいいのですが・・・」
リミアが笑って聞く。
「私達はここから攻撃で、また先生だけで突撃するのでしょうか?」
「だとしたら?」
「ハッキリ言えば不満です。それならば私達ではない方がよかった。ここからでは威力も出せませんし、それでは役立たずです」
「そんなわけねぇだろ。援護は援護だ」
「違います。それならなぜ、あの時はスイさんに援護を頼んだのですか?」
「連携のしやすさもあるが、適性の都合だ。蟻を潰せる重さが欲しかったんだよ。素材として使える顎は上から潰しても壊れねぇからな」
嘘はない。
適性の都合だ。影を見るならリミアの水より、光を遮るスイの岩の方がよかったし、潰すという目的でも同じだ。ヨハンに至ってはあの場面なら論外だ。
「私達はそれほど頼りないでしょうか・・・?」
糾弾の次は泣き落としか? 芸が細かいな。
確かに俺も、経験を積ませることも考えて二人を連れてきた。
とはいえ、安全あってこそだ。失敗が許される空間でならいくらでもやりようがあったからだ。
だが、そうじゃなくなった。
超弩級相手に、絶対安全な失敗が許される空間を俺は作れないし、なにより・・・まだそういう段階じゃない。普通の女王だったとしても・・・直接、攻撃に参加させるつもりはなかった。
「ヨハン・・・お前はどう思う?」
それでもリミアは納得しそうにないので、仕方なしにヨハンに話を振って、ヨハンからやめておこうと言わせれば収まるかと思ったんだが・・・、
「僕ですか⁉ ・・・・・・僕は、僕には・・・、でも‼ 僕は先生の戦いを近くでみたいです‼」
当てが外れた。
なんつーこといいだしやがるんだ・・・。あぁほら見ろ。よくねぇ顔で笑ってんじゃねぇか。
「はぁ・・・お前からはなんかねぇのか?」
意味はないとわかっていながらサンに聞いてみるが、
「俺はアンタを見ているのが任務だ。元々、近くで見る予定だったさ」
知ったことかと笑われて終わる。
「そうかよ・・・。なら、覚悟しろよ?」
精々うまく、使ってやるさ。
中途半端な長さになってしまった。




