表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
105/938

魔法構成

「魔法の構成順についてだが、ケイト。お前の詠唱は確か、雷よ。から始まってたな?」

「は、はい」

「その後が、輪をなして、印に~・・・なんだったか?」

「印定めし敵に群がり、爆ぜよ。です」

「あぁ・・・そうだったな。この場合、構成順は属性、形、対象、効果の順だな。じゃぁ俺の詠唱がどんなだったか、覚えてるか?」

「印に集い、爆ぜよ雷撃」

「よく覚えてたな。その通りだ。なら、構成順がどうなってるかも、わかるよな?」

「対象指定、輪郭形成、現象効果、属性決定。ですよね?」

「あぁ。上出来だ」

「基本、ですから」

 褒められたのが嬉しかったのか、どことなく自信を見え隠れさせている。


「じゃぁまぁ、なんでそうなるか・・・わかるか?」

「なんで・・・ですか? そんなの・・・」

 個人の差。つまり好みだ、とでも言いたそうだな?

 だが、違う。

「魔法は想像力をもって魔力を操る。つーことは、想像する過程で魔力を消費してるってことになる」

「それは、そう・・・ですね」

「なら聞くが、想像するときに・・・まず、なにを想う?」

「なにを・・・? なに、を・・・」


 真剣に考えてるんだろう。

 ケイトは口元に手を当てて、俯いてボソボソなにかを言っている。

 その隣で、自分はどうしたらいいんだろう? と手持無沙汰なエイラにも、

「お前にも関係あることだぞ? 強化魔法も魔法だろ。ちゃんと考えてみろ」

「はい⁉ え、まぁ・・・はい、そうですね。すみません」

 一緒に考えるように促した。


 しばらくして、

「私は・・・仲間の活躍、というか・・・どうなるのか、を想像してますね。たぶん」

「わ、私も、魔法が当たった時のことを考えてる、気がします」

 2人は似たような結論を導き出したようだ。


「ってことは、効果を一番期待してるわけだ」

「そう・・・です、ね。たぶん、そういうことだと思います」

「そ、それ以外にあるんですか?」

「そうだな。少なくとも、俺とは違うが・・・別にそれが問題なわけじゃない。ただ単に、始めに想像するってことは、最も意識してるってことになるはずだ。つまり、魔法を構成するうえで一番魔力を消費している箇所だ」

「ということは、私達は効果に一番魔力を使ってることになりまね。おかしいことじゃないと思いますけど・・・ゼネスさんは違うんですか?」

「俺はまず、誰に。を想像するな」

「た、対象指定、ですか」

「戦闘ではそれが一番重要だと思うからな」

 まずはミスしないこと。一つのミスが仲間や自分の死を招く戦場なら尚更だ。


「だから、俺は最初に対象から入る。何事も、始めが肝心だっつーだろ?」

「じゃ、じゃぁ私の詠唱は間違ってたってこと、ですか?」

「そうでもない。俺とは逆に、仕上げに力を入れるってやつもいるだろう。どっちが正しいってもんでもねぇ。ただ中級みたいな、狭い範囲指定魔法なら、先に対象だけ決めちまえば、後は効果だけ意識しても魔法として成立する。俺の詠唱が2部構成で対象・形。効果・属性になってるのもそれが理由だ。慣れとも言うがな」

「慣れ・・・ですか。でも、私の場合は・・・」


「属性、形、対象、効果の順だと、後になるにつれて魔力の消費量が上がっていく。それ自体は悪いことじゃねぇが、逆算式である以上、時間はかかるだろうな。なにより、属性と効果の位置が離れてるせいで威力が落ちてる可能性がある。見直してみるのも手だ」

「見直し・・・」

「2部構成にしてもいいし、対象だけ先に持ってきて後は流れにしてもいい。それだけでも詠唱は短くなるし、威力も多少は上がるだろう」

「多少、ですか・・・」

「威力を上げたいなら装備を変えるべきだ。本よりも杖だな。杖にしても、宝石でも結晶でもいいから、なにかしら付けとくべきだ。魔力の込めやすさが違う。威力が欲しいなら、魔力を増幅させるわけだから触媒はデカい方がいいが、持ち運びや戦闘にも関わる。その辺りは今後、だな」


 いきなり全部は流石に無理だ。

 魔法から使えるようになればいい。

「エイラみたいなギフトなら、楽だったんだけどな」

「私ですか⁉」

「あぁ。体の一部に関係するようなギフトなら、そこに魔力を集めれば杖の代わりに出来るからな」

 中には目から光魔法を飛ばしてくる変態もいるぐらいだ。


「じゃぁエイラは手から魔法が・・・? う、羨ましい」

「そう、かな? その感覚はちょっとわからないけど。でも私は攻撃魔法使わないし、あんまり関係ないんじゃ・・・」

「いや? お前には攻撃魔法と格闘術を覚えてもらうぞ?」

「え?」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ