勇者召喚
今回は一人称で書きました!
どうも、五十嵐駿です。
どうやら俺は異世界にいるらしい。
今1人部屋のベットに寝転がっている。
なぜこんな事になっているのかを順に説明したいと思う。
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事の発端は教室に広がった魔法陣だ。
俺は授業が終わり、お茶を飲み、ゆっくりしていた。そうしているといつも通り暇だなと思い、何かをしようと立ち上がった。
結局何も思いつかず、取り敢えず蒼始にちょっかいを掛けよう!となったが、気付くと床が淡く光っていた。
これはもしやと思い、慌てて蒼始のところに向かおうとダッシュで行くが、間に合わなかった。
光が一層強くなりながらも見えたのは、手を伸ばして蒼始の手を掴もうとする林檎と、驚いている様子の蒼始だった。
気付くと、台座の様なところに立っているクラスメイト達だった。床にはやはり魔法陣がある。辺りは何か豪華な城の中みたいで、きらびやかな装飾が施されている扉ぐらいだ。それ以外は特に何もない。
俺は一瞬で考えた。これは異世界転移だと…
魔法陣、転移、見知らぬ場所でしかも豪華な城といえばそれしか思い浮かばない。
それにしても、蒼始の姿が見当たらなかった。さっき蒼始に手を伸ばしていた林檎は居たが、あいつだけどこにも居なかった。
林檎は大丈夫か?さっきから泣きそうな感じになってるぞ。目の前で蒼始が消えたからか?おい蒼始早くなんとかしろ。
まさか、あいつは一人だけどこか違うところに飛ばされたのか?
そうだとしたらあいつは俺に感謝するべきだな。
なにせ蒼始にラノベの事を教えたのは俺だからな。
勉強を全くしなくなるほどはまっていたのは申し訳ない気持ちもあったが、今は教えた甲斐があったと思える。
1人になって何もわからないままより、少しでもそういう知識があったほうがいいしな。
あいつならそんなもの無くてもなんやかんやで生きていける気はするが…
今度会ったらこれはジュース1本でも奢ってもらうか。
まあ、あいつだけ異世界に飛ばされていない可能性もあるけどな。
そんなことを考えていると、次第に皆がざわめき始めた。
「ここどこ?」や、「何が起こったの?」といった声が沢山聞こえてくる。
そりゃあこんな状況なら無理もない。
極一部の男子が驚きながらも笑っているが、あれはラノベをよく読んでいたんじゃないか?と思う。というか、この状況で笑うのはそれしかないかもしれないが…
「皆様、召喚に応じて頂きありがとうございます」
いきなり扉が開いた。出てきたのはとても可愛らしい女の子。その顔は微笑んでいるが、かなり疲れているようだった。見た感じ俺等と同じ位の年かな?
いつもラノベ読んでて思うが、召喚されたのは強制的だったから応じるも何もないんじゃないか?
「突然のことで驚いているかもしれませんが、先ずはこちらについてきて頂いてもいいですか?」
そう言われて、俺達は彼女の後についていった。他に何もすることができない以上、皆も指示に従うしかできない。
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道中、皆は何も喋ることをしなかった。部屋を出るとすぐに騎士の格好をした人達が皆の周りに護衛みたいな感じでついていた。
今後の不安があるからなのか、何が起きてるのかまだ整理しきれていないのか、リアルな騎士が威圧感を発しているからかなのはわからないが、いつもはお調子者の奴でさえ黙っている。
なすがままに通されたのは、まさに国王の間みたいな所。
騎士たちが跪いたのに合わせて、皆も真似して跪く。
すると玉座に座っていた小太りの男性が口を開いた。
やべぇ、めっちゃ胡散臭い顔だ…笑い方が何かキモい…
声もネチネチしてる。
「よくぞ召喚に応じてくれた。異界の勇者となる者たちよ…」
うわぁ…テンプレだな。周りの皆の頭にはてなマークが浮かんでいる。そりゃそうなるわな。
「お前達には人類の敵である魔王を倒して欲しい」
「いや、いきなり何言ってんの?頭おかしいこと言うんじゃねぇよ」
お?遂にお調子者の永瀬涼が口を開いたか。あの様子だと結構キレ気味だな。
長瀬涼は学年屈指のイケメンでしかもノリがいいので人気がある。身長は180cmぐらい、勉強は微妙だが、運動神経がとても良い。俺や蒼始と同じバスケ部だ。
自慢になるかもしれないが、俺の方が涼より少し運動ができるというくらいかな。あ、勉強はノータッチでお願いします。
しかし、涼の性格はあまり好きではない。蒼始や俺に対して結構ちょっかいを掛けてくる。かなりめんどくさいし、揚げ足をすぐ取ろうとしてくるし、嫌味もよく言ってくる。
多分バスケとかのことで妬まれてるんだろうけど、蒼始も蒼始でああ見えて万能型だからな。やろうと思えば何でもできてしまう。
バスケも例外ではない。
しかも案外モテていたりもする。掴み所のない性格なのにな。
本人は気付いていないが…
とにかくその結果、涼が目の敵にもしている理由かもしれない。
蒼始曰く、「その代わり、何かで1番になることはできないからなぁ」と言っていた。勉強もできるから贅沢な悩みだと思う。
「いきなりで申し訳ないと思っているが、私達人間族は魔王に生活を脅かされているのだ…………」
と、それから色々と魔王がどんなことをしてきたのかを王自ら演技を交えて説明してくれた。
いや、表現力凄すぎだろ。こっちも少し同情しそうになってしまった……
小太りの王様が動き回っているというのが少しシュールだったが。
周りの騎士たちは何か号泣している。人を惹きつける能力でもあるのだろうか…
周りの皆も、心配している様子になってしまった。
話の最後に、
「帰還する方法は魔王が知っている。お前達が魔王を倒してくればその帰還する方法がわかるだろう」
と言った。
Oh……駄目なパターンだこれ…魔王を倒せば帰る方法がわかるというのは大体嘘と確定しているようなもんだ。
「ちょっと待てって、そんなこと言われても俺らを巻き込む理由にはなっていないんだよ」
涼は冷静だな。他の皆も気付いたようで、証拠に演技に惹き込まれていたはずの皆も「そうだそうだ!」とか「本当になんなの!」とかが聞こえ始めてくる。
涼はお調子者だが、人気だからな。発言力が高い。
そんな中、一人が涼に意見する。
「涼、いいじゃん。いったんこの世界に住んでみたら案外良いと思うかもよ?それに、帰る方法が無いみたいだし、家に帰ったところで涼は親と喧嘩しまくってるんだし、家出感覚でいこうぜ」
黒沼龍樹だ。涼の仲間で、よく一緒にいる。
最初に転移された場所で、笑っていた男子のことだ。
要注意人物だな…こういうのはラノベでは敵になりやすい…と思う。結構ラノベ基準だな、オレ。まあ様子はちょくちょく見ておくか…
だが、意見してくれたおかげで皆も少し静まり、涼も渋々納得して…るようでしてないな。
夢の中だと思って「そうか…これが明晰夢!?」とか言ってやがる。
どうか夢の中だからといって恐ろしいことしませんように。
その後、説明されたのは
・この世界は8つの大陸がある。ちなみに魔王はその中でも一番広い大陸に国を作っている。
・この世界はたくさんの種族がある。亜人族や魔人族、など色々だ。我々は人族で、1番優れている種族だ。その辺りは自覚を持って行動するように。
・この国「バーウェイス王国」は女神アレスの加護を受けているので、皆もそれを実感できたなら、感謝と尊敬の意を持ってお祈りするように。
・お前たちは勇者なので、とても優遇される。生活には心配しなくていい。
・他国との争いがあれば不本意だがお前たちを駆り出すかもしれない。
などなど…
そして、
「そうだ、お前たちには転移してきた時に特別な力を得ている筈だ。この鑑定石で能力を調べるから一人ずつこの石の上に掌を乗せてくれ」
そう言って、騎士達が持ち運んできのは、コンビニでもよく見かけるATMみたいな形をした木箱の上に石が乗せてある物だった。
「ではリョウという名前だったか、手を乗せてみてくれ。」
そう言われて涼は手を石の上に乗せる。
すると、ATMでいう正面の画面部分に金色の輝きが発せられた。
「何っ?金色の輝きだと!?」
王様がそう言った。そしてこんな画面が出た。
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長瀬 涼 Lv1
HP:120/120
MP:70/70
装備品:制服
スキル:聖属性攻撃
第六感
言語理解
称号:・異世界から召喚された者
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「おおおおっ!?なんだこのステータスは!常人じゃLv1でMPは10も超えないというのに!そして聖属性攻撃と第六感という見たことのないスキル!何という強さだ!」
うん、知ってた……
周りからは「流石涼君!」や「おお?なんか凄いのか?」とか聞こえる。
はぁ…俺はどんな感じのステータスなんだろうか。
俺の番が回ってきた。
周りの皆が涼に夢中になってる隙にさっさと見てしまおう。
よし、誰にも見られていないな。
お、なんか俺は白に光った。涼が金色だと何か負けた気がするな…
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五十嵐 駿 Lv1
HP:100/100
MP:50/50
装備品:制服
スキル:全属性剣技
天衣無縫
言語理解
称号:・異世界から召喚された者
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普通に良かった〜〜!ちょっと心配していた自分がいる。
全属性剣技って絶対に強いやつだよな!
あれ?でも天衣無縫ってどういう意味だ?やべぇ、自分の学力のなさが出てしまってる。
ん?龍樹も調べてるな。なになに……捲土重来?どういう意味でどういうスキルだ?まぁいいや…いつか調べるか…
あ、これ絶対探さないやつだわ。
うわっ!林檎のやつも金色に光ってやがる!周りの人も大興奮!
「ちなみにスキルはその人自身の本質等も影響しているという研究結果もある。レアスキルではないからといって落ち込むことはない。その個人に合うスキルということだ。あぁ、お前たちのスキルは見たことがないものしかないから後日調べようと思う。今は危険だから使わないでくれ」
ん?そうなのか。それにしても王様、普通に良いフォローするんだな…
あ、涼が天狗になってるぞ。いいステータスだったみたいだからな。
「魔王を倒してやる!」とか言っちゃってるし、皆もそれに合わせて「「おぉ〜〜!」」とか言っちゃってるし………
「では、明後日から訓練を始める。ゆっくり休んでくれ。」
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あれから一人に一つ部屋を用意された。
色々と疲れてめっちゃフッカフカのベットがあったのでそこに寝転がって冒頭に至る。
今後どうしようかな。さっきまでラノベでは…とか言ってたけど、現実はそう甘くはないからなぁ…
蒼始に偶々再会なんてこともない。どちらかが探さないと出会うなんてことは起こりえない。
林檎と話をつけて探しに行くか?でも何もわからない状態というのは危ない。かといって留まっていれば、戦争に駆り出される可能性もある。取り敢えず様子見か……
力が付いて時期が来ればここを飛び出そう。そしてこの世界のどこかにいるであろう蒼始を探しに行くか。あいつは俺の中で1番仲がいいやつだしな……
俺もあいつ自身も友達は多いけど、影薄いし、よく忘れられているから皆まだ気付いていないな。
よし、そうと決まれば寝るか。疲れたしな。明日から頑張るか〜
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そう思って寝て起きたあと、王城内は慌ただしいことになっていた。
何が起きたのだろうと不思議に思っていると、部屋の外から声が聞こえた。
昨日聞いたばっかりのあのネチネチした声が焦燥感に溢れたものになっている。
「ナガツキリンゴを早く捜し出せぇぇぇぇぇぇ!!!!」
あ、あいつ何しやがったぁぁぁぁ!?
クラスメイトの皆が魔法とか王城とか気にしないのはどうかスルーしてください………(泣)
魔王討伐に誰も何もツッコミ入れないのもスルーしてください………(泣)




