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町発見

 前投稿から何ヶ月も経ってしまったのは、ちょっと……というよりかなり出来事がたくさんあり、まともに執筆に手をつけられる時間が無かったからでした。すみませんm(_ _)m

 最近少し落ち着いてきたので、これからは投稿頻度はもうちょっと上がる…かな?


 さて、その重要な情報とは、「馬車」のことだった。

 もちろん、あのスライムに溶かされた馬車である。


 日記によると、あの馬車は生産系勇者によって改造されたそうだ。ルンバ型高性能テントを作るぐらいだったからか、あの馬車にもびっくりする機能がついていた。


 簡単に言えば自動運転機能のついたキャンピングカーだ。

 自動車の様に走らせることができて、しかも記録されている場所に勝手に目的地まで行ってくれるという、最早馬車とは言えない機能がある。

 王様も馬車のはずなのに馬もいないまま走行する姿を見て腰を抜かしたらしい。

 ちなみに普通に馬に引かせることもできるが、実際に引かせて使ったことは試験的に走らせた時以外一度も無いらしい。


 蒼始は「回復アイテムもたくさんあるし、想造魔法使えば新しく作れるんじゃないか?」と考え、試すことにした。


〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜


 結果から言うと馬車作りは成功した。試行錯誤をしながらだったので、15本もマジックポーションを消費した。

 もう腹がたぷんたぷんで、吐き気まで催していた。

 手持ちの3級品マジックポーション一本では回復量が多すぎるらしいので、ステータスを確認しながら何回かに分けて飲んでいた。

 いちごミルクを少し薄くしたような甘い味だったので蒼始は最初の方は美味しく飲んでいたが、3本目あたりからその甘さが厳しくなっていった。


 想造魔法を使って馬車を作る方法を何度も考え、MPを使い切ったあとに来る倦怠感も何度も乗り越え、遂に完成させたのだ。



「やっと完成させたぞ!!」


 そう叫ばずにはいられなかった。

 時間にすると、馬車を作るにしてはたった約5時間。それでも大変だったことに変わりはない。

 この馬車を作り出すには少なすぎたらしい蒼始の最大MPを無視し、マジックポーションによって行われたゴリ押し作戦は成功したのだ。


「完成したならこっちのものだし、善は急げだ。早速出発するぞ……!」


 使用方法は日記に書いてあった。御者台にあるカーナビの様な機材を使って行き先を設定するらしい。

 王様も実際に走った様子を見ると、かなり興味が湧いたそうで、設計や技術、操作方法、乗り心地等こと細かく書いていた。さらに勇者に頼み込んで、2台目を作ってもらっていた。そのお代が食べ物コレクションだったらしい。

 それを頼りに蒼始はまず目的地設定にあった最寄りの町を出発した。



〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜



 こうして、蒼始は2週間かけてやっと町に到着した。



 実を言うと最初に指定した場所は4日目に到着していて、カーナビの様な機材は「目的地に到着しました」と音声案内を出していたのだが、辺りに町が存在していなかった。

 まさか、そんなことがあるだなんてと蒼始は思いながらも、仕方なく目的地を変更するも全く町が見つからず、山を越え谷を越えてようやく4つ目に設定した場所にてやっと発見することができた。

 遠目から壁が見えたので、指輪に馬車を収納し、歩きで向かうことにした。


 蒼始が到着した町は高い外壁で囲まれていて、門は馬車2代分が通れる幅で、関所もそこにある。蒼始はまず関所にいる人に話をしようと思った。椅子に座っている鎧を着ている人を見た蒼始はちょっとビビりながら声を掛けた。


「すみません、町に入りたいのですが……」


「ん? あぁ、身分証明書か身分証明書の代わりになるものはあるか?」


(しまった…… 持ってなかったら町に入れないのか?)

「持ってないです……」


「うーん、じゃあ何かのギルドに入る予定はあるか?」


「えっと……どんなものがありますか?」


「それも知らないのか…… そうだな、多いから詳しく説明するのはしんどいが、商業、職人、冒険者、農業、宿屋、畜産、運送がある。ああ、あとここにはないが漁業もある。因みに掛け持ちをすることも可能だが、一部のギルドでは掛け持ちしてはいけないという暗黙の了解になっていることもある」


「冒険者ギルドに入らせてください!」


 異世界ときたらこれしかない。そう思い、それを聞いた途端蒼始の考えは確定した。


「いいのか?そんな簡単に決めても」


「大丈夫です」


「そうか、ならいい。じゃあこの町には初めて来たみたいだが、町の案内も兼ねてのギルドへの道案内はいるか?」


「あ、お願いします」


「わかった。少し待っといてくれ」






 こうして待つこと数分後、関所にいた職員は女性を連れて戻ってきた。


「よし、こいつが案内役のアンフィーだ」


「水神蒼始です。よろしくお願いします」


「アンフィーです。ソーシさん、よろしくお願いしますね」


 にっこりと微笑んでアンフィーと名乗ったロングヘアーの茶髪の女性は、とても優しそうな印象がした。蒼始はうさ耳をつけたらきっと似合うだろうなと思った。


「それでは早速行きましょうか」




 こうして二人は町の中に入っていった。


 入ってすぐに蒼始の目に入ったのは西洋風の建築物が並んでいる街並み、そしてあちこちに行き交う人々だった。


 まさに教科書で見るような風景で、どこか旅行に来たみたいな感覚を覚える。蒼始は一度こういう所に来てみたかったという願望があったのでとても感動している。





「見てもらったら分かるとおり、入ってすぐのこの辺りが商業区で、色々な日常用品や雑貨品が売られています。ただ、食事のできる店や食料品や消耗品が売られている店はここだけじゃなくて他の区にもあるので、行くときは家具か服など買いに行くときにしたほうがいいですね」


「へぇ〜、そうなんですね」


 こうやって蒼始は返事をしているものの、話があまり頭に入ってこず、どこか凄い不安になっていた。

 勿論先程のような感動や今後のワクワク感もあるが、それよりも全く知らない土地に来て、周りの人と今後どんな感じでコミュニケーションを取ればいいのか、どんな事をすれば良いのか、などが悩んでいる理由。


 もう一つあるのが…… 蒼始は周りの人にすごいジロジロ見られていた。


(何でこんな見られているんだろうか。やべぇ……)



 それもそのはずだ。蒼始はまわりの人の服装を日本にいる頃に比べるとやっぱり違和感があるなと思ったりしていたが、服装が制服なので蒼始の方が周りの人からすれば珍しすぎた。

 ようやくの町なので緊張しおどおどしていたので、服装のことは少しも気に留めていなかった。


「……? どうかしましたか?」

「いえ…… なんでもないです……」


 ここで蒼始はジロジロ見られている理由を聞けば良かったのだが、何故かここでしなかった。

 蒼始は「どうかしましたか」や「大丈夫ですか」などの質問にはに「大丈夫です」と取り敢えず答えるのが蒼始の性格だった。


「それにしてもここは暑いですね」


「そうなんです。ここは盆地になっていて熱が籠もりやすいんですよ」


(そうなのか、馬車の中が快適すぎて全く気付かなかった。)


 蒼始はそう思って服の襟をバタバタさせて空気を入れようとしたところで気が付いた。


(ん……? うわぁ! 今気付いたけど制服じゃねーか!)


 そして違和感満載なのは自分の方だと気付かされていた。

 服を新しく買うにもお金が無いのはわかっているも、どうにかして買う方法を考えていた。

 異世界に行くと、服屋が元の世界の服が珍しいから買い取らせてくれと言うパターンも考えたが、服屋に「は? 何言ってんだこいつ」と言われて買い取ってもらえないパターンを考えると、恥ずかしさが怖くてできなかった。


 ここで蒼始はまた想造魔法の便利さに助けられる。


(そうか、周りの人の服装を参考にして想造魔法で服を作ればいいのか)


 ただ、今それをしてしまうと確実に怪しまれるので、蒼始はそれをしなかった。


 早く着替えたいという気持ちになりながらも、今度は説明をしっかり聞きながら町を歩いていった。







「それにしても、ソーシさんって不思議な服装をしていますよね。どこの出身なんですか?」



 そう質問されたのは、宿屋等の説明を受け終わり、次の目的地に歩いている途中だった。

 ここで蒼始はあらかじめ考えていた返答をした。


「あまり詳しくは言えないですけど、かなり田舎の方から来ましたね」


「うーん、それにしては結構服の材質が良すぎるというかなんというか…… あっ、すみません、失礼でしたね……」


「いやいや、全然大丈夫ですよ」



 「田舎の方から来ました」と言った後の相手の返答に対しての返答は全く考えていなかったので、なんとか乗り切ったとホッとする蒼始。

 ちなみに一応嘘はついていない。元の世界で住んでいたのは田舎だったからだ。



「実は私も最近ここに来たばっかりで、元々田舎出身だったんです」


「そうなんですか」


「はい。自分の村はそんなに裕福じゃなくて、皆も身だしなみをそんなに整えることができなかったので、ソーシさんが田舎出身って聞いて驚いちゃったんです」


(うーん、確かに周りと見比べるとこの服はどっちかというと綺麗すぎるくらいだな。)


「あっ、すみません。つい自分語りしちゃいました」


「いや、全然大丈夫ですよ。逆にこういう話はもっとしてほしいくらいです」


「そうなんですか……? じゃあもっと喋っちゃおうかなぁ♪」




 この世界のことについて全く情報の無い蒼始にとって、どんどん喋ってくれることはありがたかった。

 それに蒼始はどっちかというと聞き手だ。話すとオチがつけられなくなってしまうので、結局何を言いたいのかがわからなくなってくる。自分から話すとオチがつけられなくなるのがオチだった。












「・・・・・・そうなんです。それで、私の職場にはあの鎧を着ていた人と、女性の先輩がいるんです。鎧を着ていた人はガートという名前なんですが、ガートさんは私にダジャレを言ってきたり、子供扱いしてくるんです」


(ほほう……ダジャレを言うのか。これは仲良くなれそうだ。)


「それで、もう一人の先輩のほうなんですが、私にはすごく優しくしてくださるんですが、ガートさんといるときは、ちょくちょく言い争いをするんです」


「へぇ〜、そうなんですか」


「はい、しかもその時の先輩は凄く怖くて……私と話しているときと全然違うんですよ……! どうにか止めようと思っても私には力不足でした……」


「実は喧嘩するほど仲が良かったりして……」


「確かに……!それだと凄く面白いですね♪」




 こんな感じで蒼始はアンフィーと話をしながら歩いていた。




 と、ここでアンフィーは、見る限り木造の3階建てで、大きなドアの上に剣が斜め十字に交わっているような紋章がある建物の前で立ち止まった。


「着きました。ここが冒険者ギルドです。この町の冒険者ギルドは案外優しい人が多いので不安にならなくても大丈夫ですよ」


「なら、安心できそうですね」


 蒼始は遂にやってきたと思い、今までラノベで見たテンプレを期待しながら、ドアの中に入っていった。




 今回はネタが少なかったので、次回からどんどん増やしていけたらな〜と思います。


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