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001  作者: 真中ラン
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俺の幼馴染み、松本小鳥が転校してきて1週間がたった。

しかし、交流は一切ない。

俺は、この1週間を通して思ったことがある。

それは彼女が小学校3年生の時から大きく変わったことだ。

小学校を転校する前はもっと活発に皆と喋り、笑っていたのだが今は、1人でずっと読書をしている。

クラスの女子が話しかけても、返事を簡潔に終わらせ目線を本に戻す。

小学校の時は委員長などにも、なっていて小鳥本人から話しかけていたことを考えると本当に小鳥だろうかと思ってしまう。

しかし何度見ても松本小鳥とクラス全員の名前が載っている掲示物に書いてあった。




結局この日も松本小鳥と喋ることは無かった。

俺にはそれなりに友達がいるので話し相手には困らないし、彼女は自分から喋りにこないので今後も会話することはないと思う。

そう思いながら、昇降口を目指していると前から知ってる顔が現れた。

「おっ、トオル!いい所に居た!」

こいつがいい所と言う時は良いことが起こらない。

「なんだよ。充かよ。今日はどうしたんだ?」

「いやーさ、教室に教科書忘れちゃって。1人じゃ寂しいからさ、トオルも来てくれない?」

この相澤充は去年、1年の時に一緒のクラスだった。

今は別々だが、会った時は会話する仲である。

「今日は予定がないんだが、予定を作ってもいいんだよなぁ…」

「あるでしょ予定。僕と一緒に教室に行くっていう予定が。」

「なんでお前が俺の予定作ってんだよ。」

「だって、そういう契約じゃん?」

「ねーよ。何かあるんじゃないかみたいな雰囲気出すなよ。」

「えー、そっちの方が面白いじゃん。」

「この会話に面白味は求めてない。」

「わかったわかった。ま、一緒に行こ?」

別に悪い思いはしてないので軽く頷き充の横を歩く。

充の教室に行くには階段を登って2階に行き、左に曲がって教室を2つ通り過ぎなければならない。

正直今日は先生の手伝いをしたから考えるだけで頭が痛くなる。

「そういえば、転校生はどうなの?」

多分松本小鳥のことだろう。

「あぁ、真面目で大人しい子だがそれがどうかしたのか?」

「いや、ただの興味本位さ。でこの子は可愛い?」

こいつは俺の頭痛よりも転校生が可愛いかどうかの方が重要らしい。

「可愛いと思うぞ。確実にクラスでトップになる。」

「マジか!いいなぁ、同じクラスで。僕のところに来てくれればいいのに。」

「ところってのはクラスか?それとも胸か?」

「そんなの聞かなくてもトオルならわかるでしょ。」

わかんねーよ。

なんでお前の妄想を理解しなくてはいけないんだよ。

何だかんだ言ってるうちに目的のものはもう充のバックに入っていた。

「じゃあ戻ろうか。」




昇降口の前で充と別れ、自分の下駄箱に移動する。

今日はとても動いた日だった。

下駄箱を開けるとそこには手紙があった。

(今日の放課後、屋上に来てください。重要な話をしたいです。小鳥)

どうやらまた動かないといけないらしい。

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