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冬休み初日は地獄でした

高校生活最後の終業式が終わりを迎える。

冬休み最初の朝、俺は布団と言う魔物に取り込まれていた。

眠い、眠いよ。

寒いし、布団の中暖かいし、出たくない。もうこの中にずっといたい。

だがそういう訳には行かない、隣の家の幼なじみ

が買い物いくからついてこいと言ってしつこいのだ。まぁ今日は冬休み初日と同時にクリスマスなのだ。

さすがに一人で外に出るのは気まずいのだろう。それはわかっているが布団から出たくない。そう言っていられたのもつかの間だった、、、、。

「彼女が来てるよ兄貴!」

ゲームオーバー、俺の大切な冬眠時間が、ぬくぬくタイムが、終わった。やはり断ればよかった、、、、。

まだ10時だぞ早すぎる出掛けるのなんて午後でもいいだろう。

まずうちの事情的にあんまり外に出たくない出てしまったら妹が一人になってしまう

うち、天月家の住人は俺柊と、姉の美岬、妹の茜しかいない。

両親は海外で働いていて家には姉と俺と妹しかいないのだ。しかも今日姉は、朝からバイトで家を出ている。しかも妹はまだ中学一年生なのだ、放っておく訳には行かない。ただ約束してしまった俺にも責任はある、破る訳にも行かない。

それに彼女じゃない、少し気になったりとかするけどそうじゃない、幼なじみなのだ。

「あと私今日友達の家に泊まるからこの後すぐ家出るよ」

「姉ちゃんに許可もらったか?」

茜はうなずいた。なら安心だ、俺は約束を守ろうじゃないか!

玄関の向こうにいる彼女、ではなくあいつを待たせる訳には行かない。せめて一声かけてから着替えを始めなければ怒られてしまう。

「すまん美月、今準備するから少し待っててくれ」

早くしろよと言わんばかりの笑顔で美月はこちらを見てうなずいた。

美月は小、中、高と一緒でそれよりも前からよく遊んでいた幼なじみだ。きれいな黒髪に整った顔、

まぁ美人だ。俺は美月の笑った顔に少しドキッとしながら自分の部屋に向かった。

だが俺は、家族以外の女と出掛けることははまず無い。だからかこういう時どんな服を着ていけばいいのかわからない。

そして俺はとてもがつくほどセンスがない。何を着ていけば普通なのかわからないレベルで。クリスマスにセンスの無い服を着て女子と外を歩くのは流石に俺にも分かる。ありえない、、、、。結局茜に選んでもらった、この歳で恥ずかしい、もう俺高2だぞ最悪じゃん。

「これなら何とか似合うかな」

「ありがとう、じゃあ行ってくる」

「行ってらっしゃい」

妹はニコニコしながら手を振って俺を見送ってくれた。

「遅いよ、女の子待たせるとかありえない」

「さすがに午前位は寝かせて欲しかったよ」

「だからあんたには彼女出来ないんだよ」

ほっとけ、そんなのわかってる。そう思いながら俺は美月と町に向かう。しかしまぁ隣にこんな可愛い奴がいるとドキドキするな。

「俺じゃなくて友達と行けばよかったじゃん買い物」

「みんな彼氏とデートだって」

「お前も作ればいいのに」

「余計なお世話!」

軽く肩を殴られた。そんなんだから彼氏ができないんだと心の中で思いつつ話の話題を変えた。

「そう言えば何を買うんだ?」

「あんたは荷物持ちなんだから知らなくていいの!」

ひでぇな、、、、。心ではそう思ったが口には出さなかった。

なぜなら美月はここで反論すると思いきりすねを蹴ってくる、絶対に蹴ってくる。

「あんたいま私のことひどい女とか思ったでしょ」

ばれてるし、怖いんですけど

「いや、そんなこと思うわけ無いじゃん」

「そっか、そうだよね」

美月はめずらしくなにもしてこないので俺は安心していると

「そんなわけあるかぁ!」

そして俺はすねを蹴られて痛みに耐えられずその場にしゃがみこむと、それを見た美月はまるで悪役のように笑った。

「あんたの考えなんてお見通しだよ」

「お前はエスパーかよ、、、、、、」

「まぁ私だから出来て当たり前だよね」

まぁいつもこんなテンションだから気にしていないが、すねを蹴るのはやめてほしいものだ。

そんなこんなで一件目の店についた。てかこの店下着の専門店じゃん何でおれこんなとこに連れてこられてんだよ

「あんたは外で待ってて!」

「わかってるよ、俺だってこんな店入りたくねぇよ!」

美月は店に入って行った。俺はどのくらいここで待てばいいのだろう。下着専門店の前でたってるのは回りからの目が痛い、とても痛い。

ここは一度その場を離れて自販機に温かい飲み物を買いに行こう、

そして下着専門店の前から離れて痛い目線から逃げよう。

そして俺は自販機に急いだ。


(柊のことまた蹴っちゃった、、、、)

ため息をついて、自分にあきれてしまう。

そんなつもりはないのについ蹴ってしまう。

(柊痛かっただろうな、、、、)

下着を見ながら考えることではないけど考えてしまう。

いつも何かと言えば柊のことを蹴ってしまう自分が情けない。

今まで一度も柊に謝ったことはない、だけど今日は高校最後の冬休みそして最後のクリスマス。

私は柊に謝って、そして大切なことを伝えなきゃ。

私は買い物を終えて店を出ると向こうから柊が飲み物を持って寒そうに戻ってきた。

「やっと買い物終わったのか」

「やっとって何よ」

「いや、一件目で一時間もいると思わなかったし」

「荷物持ちなんだから文句言わないの!」

「まじかよ、きっついこと言うなぁ」

(またきついこと言っちゃった、、、、、)

柊のやられてることを自分で想像すると心が折れそうになる。

その人のことを嫌いになって、二度と話そうとしないと思う。

柊は私のこと嫌いなのではないか、いま側にいて辛くないのかそう思うと心がとても苦しくなる、、、。

「どうした?」

美月はなにか辛いことがあるとすぐに顔に出る。なにがあったかは知らんが辛い顔してる奴は見逃せない。

「何でもないよ、二件目に行こう!」

「何でも無いわけ無いだろ、なにがあった?」

「何でもいいじゃん、特にたいした問題じゃないから、、、」

「わかった」

こうなったら少しほおっておくしかない。

それからなにがあったか聞けばいい、そうして美月は二件目に向かって向かう。

二件目に向かう中で二人の間に会話はなく、静かに時が流れていった。

気まずい、こいつ怒ってんのか、なに考えてるかわかんねぇよ。

「あのさ、俺なんかした?」

気になって聞いてしまった。もちろん美月からの返事はない、返事はないのにすねを蹴られた。

訳がわからない、何で蹴られたのかも全くもってわからない。

それから少したって美月は足を止めた。

どうやら二件目の店についたらしい。

女性向けの洋服店のようだ。美月はなにも言わずに店に入って行った。

カップルならまだしもそうでもないのにこの店に美月と一緒に入るのはとても気が引ける。

「まだ、買い物は始まったばかりだから!」

美月は振り返り笑顔でそう言った。

さっきのことがあったばかりだからかこの笑顔が無理をしているように見えて少し悲しくなった。

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