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この世界の本当のルールなんて知ったこっちゃないし、そもそも知ろうにもそれを知っている人間なんてどこにもいなくて。ともかく目に見え、耳に聞こえ、認識できるルールだけは最低限守る事。それがこの世界で生きていく為のルール。人が人として生きる為のルール。
でも、ルールを守るためには、そのルールを知らなくてはいけない。ルールを犯した後に「あ、そうだったんですか。知らなかったです」では済まないのだ。
だがそう言われても、知らないものは仕方がない。知りようのないものを守れだなんて、それは無茶振りというやつで、出来る方がおかしい話なのだ。
だから、急に巻き起こったその出来事をほとんどの誰もが理解出来なかった。
それが自分達の罪だなんて。