表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

『ライオン』『電子レンジ』『後出しジャンケン』

作者:

『ライオン』

『電子レンジ』

『後出しジャンケン』


     * * *


私には双子の兄妹がいる。

二人は正反対の性格で兄の方は男の子らしく外で遊ぶのが大好きで妹はまだ小さいのにお菓子作りが好きな大人しい子だ。

「今日はお父さんもお母さんも帰りが遅いけどお留守番大丈夫?」

まだ小さい二人に目線を合わせ確認する。

「だいじょーぶ!」

笑顔で応じる兄とは対照的に妹はライオンのぬいぐるみを抱きしめてひたすら頷いている。可愛い。これが姉馬鹿というものか。

しかし不安の方が大きい。小学生と言ってもまだ全然子供だ。

「冷蔵庫にお昼ご飯作っておいたから電子レンジでチンして食べてね」

「うん!」

「出掛ける時に鍵締めておくから誰が来ても開けちゃダメよ」

「うん!」

「電話も家族からの以外出ちゃダメよ」

「わかった」

「あとテレビは見ないならちゃんと消しとくのよ?この前点けっぱなしにしてお母さんに怒られたでしょ」

「気をつける!」

チラリとテレビへ視線を写すと朝の情報番組が流れている。

『それでは、後出しジャンケンじゃーんけーん・・・』

今時の番組は子供ても飽きないようにミニコーナーや参加型のものが増えているから教育テレビを見ない子も多いらしい。例に漏れずこの双子もそうだ。

私は体操のお兄さん世代だったというのにたった十年で時代は変わるものだ。

「何かあったらお姉ちゃんに連絡してね!番号分かるよね?」

兄の方は記憶力が当てにならないので妹の方を向き確認すると私の携帯電話の番号を述べる。

「うん、大丈夫そうね。」

一通り確認をしたのでおそらく大丈夫だろう。

「じゃあお姉ちゃんもう出掛けるから」

鞄と上着を手に取り時計を確認するともう少しで八時を指そうとしていた。

「「いってらっしゃい」」

二人の声がハモリながら私を見上げる。あぁっ可愛い。

抱きしめたくなる衝動を抑えていってきますと応えて家を出る。

今日もまた一段と可愛い双子に心惹かれながら高校へと歩みを進めた。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ