―0.プロローグー
この小説はフィクションです。
作者の脳内で勝手に設定された事柄が多いため特に科学的や物理的根拠などは一切ありません。はっきりいって妄想ですので、まあ温かい目で見守ってください(笑)
「今日もたくさんいやがるな」
夜でも明るい高層ビルの上で、ため息混じりに俺は下に目をやった
視界の先には見るからに屈強な暑苦しい男達が十人以上はいるだろう
その手には剣や拳銃などといった凶器を…誰もが持っていおらず
両手首に身についけている腕輪を合わせるように構えていた
生命の宝玉と呼ばれている宝石が施されている腕輪は様々な色の光を発しながら夜道を照らしている
その光景に嫌悪感を抱きながら眺めていたが、いつまで見ていてもこれでは始まらない
「早く仕事を済ませて課題をやらない…っと!」
などとこの雰囲気で場違いなことをつぶやき、高層ビルから飛び降りた
急降下している体は地面に触れる寸前で急ブレーキをかけたように減速し危なげなく路地に着地した
われながらうまく着地が決まったなと満足していると一人がこっちに気がついたようだ
その男はすぐに大声で合図を送ると全員が俺に向かって突撃してきた。その目からは血走っているのが見て取れる…うん、全員俺を殺す気十分だね
「うおおおおぉぉぉぉぉ!」
「うらあああああぁぁぁ!!」
「俺がやるんだあああぁぁぁぁ!」
「がるるるるるぅぅぅぅ!!!」
なんか人間じゃないの混じってない?とうとう人間以外にも襲われるようになったのか…
そんな考えをよそに誰かが放ったと思われる竜巻が迫ってきていた。まるでカマイタチのような鋭さを持つその風はあらゆる障害物を切り刻みながらどんどんその距離を縮めていく
そんな状況でもまったく動じることもなく、興味のないような瞳でその竜巻の前に左手を
突き出した
「こんな細い路地にそんなのやっても効果はいまひとつのようだぜ」
左手で受けとめた竜巻を、横に弾くとまるで先ほどまで吹き荒れていた風がなかったかのように四散した
その驚愕の光景に男達は少なからず動揺していたが、態勢を整え再び突撃を開始した
その姿を確認し口元の笑みをこらえきれず、さも楽しそうに俺は
「さぁて仕事の時間だ。あんたらの宝玉奪わせてもらうぜ!」
自らもその男達を目掛けて突進していった
――その腕には光らない腕輪をつけて――