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食事。それは心も満たすもの

意見・アドバイス募集!

誤字・脱字の指摘もついでに募集!

「……おい! そこの黒いの!」


 やっと着いた街の門をくぐろうとすると衛兵らしき人物に呼び止られた。


「ここらじゃ見ない格好だな、何処から来たんだ?」


 ここで正直に「異世界から来た」といったとしても、信じてもらえるどころか余計に不審者扱いされそうだな。

 それならば……。


「気が付いたら森の中にいたぁ~?」


 異世界云々(うんぬん)は差し置いて事実のみ話しておくことにした。

 嘘はついていないんだ、堂々としていれば何とかなるだろう。


「……まぁ、嘘をついているようには見えないな。 とりあえず荷物だけは見ておくぞ」


 リュックの中、ポケットの中を調べられ異常なしということで街へ通してもらえた。


「それにしても……」キョロキョロ


 改めて街の中を見渡すと、衛兵の鎧はもちろん、他の人達の格好を見ても「コレでこそ中世!」という衣服を着ている。

 さすがにコレでは自分の黒ジャージがものすごく浮いている。何とか対策をしておかなくては……。



 街に入ってすぐのところに案内板らしきものを発見。

 宿屋や武器屋など主要な施設や飲食店などが記載されていた。

 その中で『冒険者ギルド』というものを見つけた。


 いまさらながら、この世界の文字は漢字、ひらがな、カタカナ、アルファベットと日本とあまり変わっていないことに気がついた。

 森にあった看板や手紙、チュートリアルブックなどは特別なのかと思っていたのだがそうではないらしい。


「ここへ行ったら何か稼ぎ口が見つかるかな」


 さすがに冒険初日に飯なしの野宿だけは勘弁してほしい。

 せめて何かを口に入れないと。

 そう考えながら、ギルドへ向かった。


 * * * *




(あっ、あの肉美味(うま)そう……)チラッ




 * * * *


「それではこちらに名前を記入してください」


 1枚のカードに自分の名前を記入する

 あっち()での名前じゃなくて、キャラクター作成時につけた『リュート』を記入する。

 この世界では、すべての生き物の頭上に【HPバー】・【MPバー】と名前が浮いているため偽名なんてものは使えない。

 ちなみに、自分のステータスウィンドウにもリュートと表示されていた。

 自力では見ることができないが、多分頭上にも同じく表示されているはずだ。


 どうやら、冒険者の手続きはこれで完了らしい。


「このカードが冒険者の証であり、あなたの身分を証明するものとしても使用が可能です」


 これで、毎回街に入ろうとするたびに衛兵に絡まれることはなくなるなぁ。

 そんな、くだらない事を考えながらそれを受け取る。



 ほかにも、依頼の受け方やランクについて教えてもらった。


 ・依頼はギルドにある掲示板から、受けたい依頼書を持ってくる。

 ・依頼にもランクがあり自分と同じ、又はそれ以下の依頼のみ可能である。

 ・ランクはGからSSS(トリプルエス)の10段階。

 ・ランクの昇格はそれに見合ったレベルになることと、試験を合格することが条件である。


 受けた説明を要約と大体こんな感じである。


「それから当ギルドでは、受けた依頼やその依頼の達成具合を自動で記録してくれる『冒険者手帳』、倒したモンスターの換金可能部位も記した『モンスター図鑑』を取り扱っております。」


 おっ、そんな便利なものが存在するのか! で、値段のほうは?


「手帳が10銀貨、図鑑が5銀貨となっております」


 ……ムリダナ。


 さっき換金してもらったボアの牙2つで10銅貨、1銀貨=100銅貨なので、つまりはボアを約150体倒せば何とかなる金額ということだ

 さすがにそれはきつい。


 受付嬢もこっちの考えを察したのだろう。


「Fランクの依頼をいくつかこなせば買える金額なので、がんばってください」


 と、苦笑しながら激励してくれた。

 ちょっと気恥ずかしい。


 とりあえず今日は、食事代と宿代を稼ぐべく一つ依頼を請けることにした。


 * * * *



(ちなみに値段はっと……6銅、だと!? クソッ。……美味そうだなぁ)チラッチラッ



 * * * *


「いらッッしゃいませえェェ!!」


 請け負うことになった初依頼は『酒場の手伝い』

 依頼というより短期バイトみたいな感じだ。

 場所は、1階が酒場、2階が宿屋になっている『豊穣(ほうじょう)の宿』

 報酬は、最低10銅(客の入り具合で変動)とその日の宿代の割引となっていた。


 この依頼は俺のように寝床が無く金も持っていないヒトがよく請けていくらしい。

 なんだか、まんまと女将(おかみ)の思惑に乗せられた、そんな気分である。


「おっ! 新入りか!」

「はい、そうです」

「あんまし見ねぇ格好だが、何処から来たんだぁ?」

「さぁ? 気が付いたら近くの森に突っ立ってました」ハハハ

「何じゃそりゃ」ガハハハ

「ハハ、ハハハハ」(酒クサッ)

「ガハハハ、っとそういや注文してねぇな。とりあえず酒だ!」

「かしこまりました」(まだ飲むのかよ……)


 そんな会話を(はさ)みながら注文をとっていった。


 * * * *


「はい、これが報酬」


 酒場の掃除が終わったころに、女将から手渡された。

 客の入りは上々、終了時間も予定より少し遅くなったとのこと。

 そのため貰ったお金も60銅とちょい高め。

 しかも、今日の宿泊代と明日の朝食代を差し引いた上でこの金額だそうだ。

 次の活動が決まるまではここを拠点にしていこうかな。


 晩飯がわりの(まかな)い料理があるよといわれたが、少しだけ待ってもらう旨を伝え、夜の街へと繰り出した。


 * * * *



(さてっと、肉、肉、肉っと)♪♪♪


(あれ? ここじゃなかったけ? 何で閉まっているんだ?)


(なになに……『在庫がなくなったので、少し早めに店じまいします』……だと!?)


(…………ぁぁぁぁぁぁああああああ!!)


(不幸だァ~~~~)




 * * * *



 ……晩飯はおいしくいただきました。

もうちょっと初心者的な話が続くかも?


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