〜悪友〜
そんな懐かしい情景を思い出していた。
当時の俺はすぐに心を奪われ、
その後のスケジュールも忘れてずっと小池を
目で追っていた。
本当に面白かった。
周り全てを不良達に囲まれ、色で言えば
そう、グレーだった。
そのグレーの景色にピンクが差している様な
そんな感じだった。
それから暫くの間もうんうん唸っていたが
突然飛び上がる様に頭を上げるとまた、
萎れる様に机に突っ伏してうんうんと
唸っていた。
そんな小池と仲良くなるのにそう時間はかからなかった。
まぁ、それでも少しは努力もしたが。
はじめはマニュアル通り出身中学や
お互いの地元などつかず離れずの質問を
繰り返していたのだが、その度に気の無い返事を
返された。
それからは手を変え品を変え
何度となくトライしたが、その度に
気の無い返事が返って来るだけだった。
それでもめげずに毎日の様にあれこれ話しかけてみた。
そのうち相手の反応などお構いなしに
こちらが一方的に話すだけになっていた。
半ば小池からの反応を諦めていたのかもしれない。
そんなある日、家を出る間際に母親と
些細な事で喧嘩をした事を話したら
突然こちらを睨みつけ大声を張り上げた。