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~悪友~
小池とは高校入学と同時に出会った。
人様に自慢できないが偏差値の低い高校だった事もあって
周りは年季の入った不良から
二つ隣の町まで名が知れている様な大物、
かと思うと高校デビューを絵に描いたベイビーフェイスまで
まあ、平たく言えば全員社会から敬遠される人物ばかりだった。
俺はというと、
ただただ勉強が嫌いだっただけで、勿論前述の不良達の様に
喧嘩に明け暮れる訳でも、ましてや高校からそんな茨の道に
足を踏み入れる根性など持ち合わせてはおらず、
一人二人のごく少人数で毎日を平穏に過ごせて
最終学歴が高卒になってくれれば儲けものと考えていた。
入学式も無事に終わり担任の先生を待つ間、
私の席から一つ飛ばした列に周りの不良達とは
異質な人物を発見した。
その人物こそ小池だった。
小池の異質さに関してはやる気の無い私から見ても
全くといっていい程のダラけぶりで、
一触即発とも言える教室の中で周りの不良達が
見えていないという感じで
机につっぷして一人うんうん唸っていた。