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産唄  作者: panipany
6/12

~u b u t a~

心臓を鷲掴みにされた様に一瞬身体が硬直した。



(換金所で強盗殺人)こんな見出しの記事をどこかで読んだ気がする。



もしや強盗か?


それとも腹いせか?



グルグルと悪い想像が頭を巡る中、覚悟を決めて振り返った。





誰?




自分の中のデータベースに急いでアクセスする。

どうか知り合いであって欲しい。

知人?親戚?クライアント?友人?


選択肢として友人が最後に出てくるあたり虚しさがこみ上げる。

社会から見た自分の評価が浮き彫りになっている様だ。



そんな感傷に浸っている時ではない。

誰だ?今目の前で満面の笑みを浮かべているこの男は


頭の中のデータベースは全くと言っていい程機能しない!

それでも半ば強引にアクセスする。



そして出た答えは













「該当者なし」











臨戦態勢に入ろうとしたその時








「よう!久しぶりだなぁ!!」


満面の笑みを浮かべそう述べた男の様相に嘘は無く

緊急警報を打ち鳴らしていた脳内は緊張の糸が

音を立ててプツリと切れた。




「よう!久しぶり!

 あれ?忘れちゃったか?

 小池だよ!

 お前都野守だろ?」



こ・い・け?



こ・い・け・・・・・・・こいけ・・・・・・小いけ・・・・・・こいけ?・・・


・・・小池!!





「小池!おお!!小池か!

 久しぶりだな!お前大丈夫なのか?」





今目の前にいる男は小池洋平、自分とは高校時代に同級生だった男だ。

勿論頭の中のデータベースに記録が無かったのは

高校卒業依頼会っていなかったからだ。

それでも小池洋平という名前を思い出した直後に

「大丈夫」というワードを第一声に持って来たのは

あの事が深層心理に根を張っていたからだろう・・・。








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