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~u b u t a~
どこか遠くから呼ぶ声がする
暗闇の中でその声に照準を合わせる
なかなか定まらない照準に自然と眉間に皺がよる
しばらく彷徨った挙句、やっとの事で声の正体を掴んだ
五月蠅い蠅を叩き落とす様に頭上めがけて右手を振り下ろす。
声の正体は目覚まし時計。
目ヤニと寝汗でベトつく顔を軽く擦り時間を確認する。
AM10:06
ああ、 今日もこんな時間か、、、。
気怠い身体を支えるベッドの上で昨晩の事を思い出す。
思えばアイツに出会ったのがそもそもの原因だ