表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
小さな国のダメ王子である俺が三大国のご令嬢様に目をつけられている理由  作者: 田中 又雄


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

3/5

アルラ嬢

 最低限の身だしなみを整えてから、客間に行くとそこには少しイライラした様子のアルラ嬢が居た。


「…遅いですわね。この私を10分も待たせる人なんて、良い度胸ね」と、今度は不敵な笑みを浮かべる。


 彼女の後ろには俺ですら知っている、特級魔法師が3人立っていた。


 特級魔法師は世界でも10人ほどしかいない、世界的にその強さを認められた魔法使いである。


 アーリア国は三国の中でもかなり異質な存在だった。

国で奴隷制度を認めていたり、魔法学校も他国の自由な校風とは異なり、軍隊育成機関として利用しており、あまりいい噂を聞かない。


 そんな武闘派だらけのアーリア国を敵に回すのはいっちばんアカン!と思い、ひとまず土下座でもしようかと、片膝をついたところで「私の気分は土下座一つでは変わらないですわよ」と言われ、仕方なく立ち上がりその場で謝ることにした。


「遅れてしまい、大変失礼いたしました」

「えぇ、大変失礼ね」

「そ、それでは、お詫びにこの品を…」と、執爺が用意してくれた我が国でも一番な人気お菓子を差し出す。


「…お菓子って。まぁ、いいわ。これは後でいただきます。ひとまず、立ったまま上から話をされるのも嫌だから、さっさと座ってくれるかしら?」

「し、失礼しました!」と、急いで椅子に座る。


 ったく…なんだってこんな辺境の地に来たんだよ…。


「ここに来る前、少し城下町を覗かせてもらったわ。大国に比べて、活気は少ないけれど、血に飢えた若者や浮浪者はいない、よく言えば平和ボケした良い国のようね」と言われた。


「は、はい…。それだけがこの国の取り柄ですから」

「そうみたいね。さて、今日私がここに来た理由は分かるかしら?」

「正直、全くわかっておりません」

「そう…」というと、灰色のストッキングを脱ぎ始める。


 何してんだ…この人。


 そして、生足をこちらに向けると、「舐めなさい」と言われる。


「…え?」

「早く。私の気分が変わらないうちに舐めた方がいいわよ」と言われ、これやらないとやばいやつだと思い、犬のように四つん這いになり、彼女の足をぺろぺろとする。


 俺、ドMなんで普通にご褒美っす。と思いながら、足を舐める。


「いい子ね。さて、わたくしがこんな所にまで足を運んだか分かる?」と、聞いてくる。


 足を舐めながら、「…加盟についてでしょうか?」と聞くと、「不正解」と言われる。


 不正解かよ。


「実はとある情報を耳にしたの。数年前の魔法戦争にて、特級魔法師と肩を並べるほどの使い手が現れ、そして戦争後に姿をくらましたことは知ってるでしょ?その正体が某国の王子ななんて噂を耳にしてね…」

「そんな話は聞いたことがないですね」


 すると、器用に足の指で俺の舌を挟む。


「んぐっ!」

「あら、私が喋っている最中に遮って喋らないでくれるかしら?」


 いや、完全に俺に問いかけてた感じだっただろ!


「…っ」と、黙って大人しく話を聞くことにした。


「よろしい。それともう一つ。あの忌々しいルルシア国の娘が、この前の食事会であなたを口説いているのを偶然、見かけたのよ。わたし、他人のものを横取りするのが大好きなの」と、めちゃくちゃ悪い笑みを浮かべながらそう言った。


 まさか、あそこの会話を聞かれていたのか…。

最悪だ。

あー、まじでやばい。

まじで面倒なことになった。


「てことで、あなたを私のペットにしてあげようと思ってここまで来たの」というと、ようやく舌から足が離れる。


「さて、一応あなたの答えを聞かせてもらおうかしら。賢明な王子様の」


 …さてと…まじでやばいことになったな。

ここで逆らうものなら、いきなりバトルとかになるよな…。

勘弁してくれよ。

うちの国民はほぼ9割が非戦闘員だし…。

特級を3人同時に相手するとか、流石に…。


 けど、こいつの下僕になろうものなら…どんな命令をされるか分かったものではない。


 どうやって乗り切ろうか…。と、冷や汗を流しながら、いくつかの案を考えていると、急に爆笑し始めるアルラ嬢。


「あはははははwwwいい顔するわねwww冗談よwww流石に非加盟国の王子相手にそんなことしたら、あの二国どころか世界を敵に回してしまうことになるものねwww」と、笑い転げる。


 こいつ…と、思わず顔が引き攣る。


「けど、狙っているのは本当よ。あの憎い女の好きな男を寝取ったとなれば、さぞかしすっきりするでしょうからね。それも本当に特級レベルの魔法使いなのだとしたら、三国の均衡が崩れるレベルでしょうしね。さて、そろそろお暇するわ。今日は楽しませてもらったわ。それじゃあ、また今度」と、手を振りながら帰っていくのだった。


 そうして、一人になったその部屋で思わず膝から崩れ落ちる。


 冗談じゃねーぞ…全く。

やべーのに目をつけられた…。

そんなことを思いながら、素直に帰ってくれたことにホッとするのだった。



 ◇帰り道


 馬車の中、「何もせず帰られて良かったのですか?」と、我が国が誇る特級魔法師が一人、ロクサスが私に質問する。


「いいのよ、これで。…ひとまずは。それに私の足を舐めている時のあいつの顔見た?あんなにいい顔で私の足を舐めたやつ見たことないわ。…超私のタイプ。あの女が気にいるのも分かった気がするわ。いつか首輪をつけて飼い殺しにしてあげたいわ」と、不適な笑みを浮かべながら、次の作戦を考えるアルラであった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ