拝金主義令嬢の朝
プロット自体はできているため、完結にむけてせっせと書いていきます。
ほぼ初投稿なのでがんばりますー!
黄金のように輝く金糸のような髪、海のように煌めく大きな蒼い瞳、小ぶりな鼻はつんと上がっており、唇は花びらのよう、完璧な配置で完璧な美貌を持つ令嬢であるミラーナは今日も鏡をのぞいて愛らしい顔で笑う。
その笑みはまるで花の妖精のようで誰もがそれを見れば胸をときめかせるだろう笑みだった。
しかしながら、その実彼女の考えたことはその光景にそぐわない、ひどく合理的な考えだった。
―この磨き上げた美貌、、いくらで売れるかしら?
おとぎ話の1ページのような朝の情景にそぐわない、そんなことを考えながら彼女ははらりと額に垂れた前髪を流しながら思う。
ーせめて、伯爵、、お金がある伯爵クラス、いや、今日のコンディションなら侯爵いけちゃう?いやいや、でもそういった名声にとらわれてはいけないわ、ミラーナ。私が欲しいのは名声じゃないもの、現金。クレジットよ。その点、クラスが上がっても自由度が下がるだけで、お手頃なクラスでお金がある人を選んだほうがよいかしら。
というか、もうそれで言うなら超リッチな商人とかもありよね。そっちのが好き放題出来そう。
ミラーナはため息をついて、今一度鏡を見る。鏡の中の美少女は現実的な考えなんて全く知らない浮世離れした顔で自分を見ている。
「おはようございます。食事の準備ができましたよ。・・・お嬢様、また鏡をみてうっとりしているのですか?」
メイドのララがあきれたように声をかけてきたため、彼女は鏡から目をそらす。
幼少期から一緒に育った故に、見た目と著しく乖離した彼女の本質を知る数少ない人間だ。今更取り繕う必要なんてない。そもそもミラーナは金にならないぶりっ子はしない主義だ。
「あら、ララ、おはよう。どう、今日もとても美しく仕上がったと思わない?」
「そうですね、ほんとに見た目だけは妖精もかくやなのですが、、」
ミラーナの家は子爵家、さらに付け加えるとウルトラ貧乏子爵家なので、ララはメイドとはいえ主家と使用人の関係性と違った。料理、洗濯、掃除すべてをやる彼女は頼りがいのある気心知れた相手だ。
令嬢なら一線を引いて使用人にこんな口の利き方をさせてはいけない?ミラーナとしてはそんなものがあってもお金にならないのは知っているので、特にそこにこだわりはない。
さらに貧乏ゆえに、朝の準備を手伝うメイドなどいないが、自分の美しい美貌を自らの手で研ぎ澄まして身支度をするのもやぶさかではない。
現状がどうであれ、自分はこの美貌一点突破で成り上がってやるんだ。
たおやかな少女の見た目に反して、ミラーナは反骨精神にあふれている。
「よし、今日も自分を磨いて、売値を釣り上げてやるんだからね!」
美貌の少女が手をグーにして突き上げても、愛らしい見た目は一片も損なわれない。
ただ見ていけないような違和感を感じるその光景に、長年連れ添っているララも大きくため息をつくのであった。




