街のイベントで大暴れ!
ある日、街で開催される夏祭りの話が舞い込んできた。
地元の商店街が主催する小さなお祭りだが、二人は「せっかくだから行ってみるか」と自然に話を合わせた。
浴衣を着た美月の後ろを、陽太は少しぎこちなく歩く。
「……似合うな、やっぱり」
「うるさいわね。あんたもちゃんと着ろや」
街に着くと、すでに人でいっぱい。出店の匂いや太鼓の音が混ざり合い、祭りの活気が溢れていた。
二人はまず、金魚すくいに挑戦することにした。
「俺、昔やったことあるで」と陽太が言えば、美月はにやりと笑う。
「ふーん。じゃあ負けへんで」
しかし、いざ始めると二人とも夢中になりすぎて、周囲の人々とぶつかりそうになる。
「ちょ、ちょっとどいて!」陽太が叫ぶと、美月も「前見て歩きや!」と返す。
その様子を見ていた子どもたちは、二人を少し怖がりながらも、楽しそうに見ていた。
「この人たち、昔すごかったんやろうな」
金魚すくいを終えたあと、二人はたこ焼きや焼きそばを買い、路地に座って食べ始める。
「……祭りって、意外と落ち着くもんやな」陽太がぽつりと言うと、美月も頷いた。
「うん。喧嘩するでもなく、ただ楽しむだけ。ちょっと不思議な気分ね」
しかし、平穏は長くは続かない。
突如、近くの屋台で子どもが迷子になり、親が必死に探していた。
美月と陽太は自然に動く。
「大丈夫か?」陽太が子どもに声をかけ、美月が親に「ここにおるで」と教える。
まるで昔の荒くれスイッチが入ったかのように、二人は無駄のない動きで子どもを安全な場所へ導いた。
子どもと親は安堵し、二人はちょっと照れ笑い。
「……昔なら、こういうときも喧嘩してたんやろうな」陽太が言うと、美月も笑う。
「今はこうやって助けられるんやもんな。悪くないわ」
祭りの最後には、花火が夜空に打ち上がる。
二人は手をつなぎ、夜空を見上げる。
「チルやな……俺たち」陽太がつぶやくと、美月は肩にもたれかかりながら笑った。
「うん。昔は荒れ狂ってたけど、今はこうやって平和に楽しめる。幸せやな」
元ヤン二人の街のイベントは、ドタバタしつつも、結局はチルで温かい日常の延長線上だった。
荒くれた過去を持つ二人だからこそ、街の小さなトラブルやイベントも、笑いと優しさに包まれる。
こうして、元ヤン夫婦のチルでほのぼのとした日常は、外の世界でも確かに息づいていくのだった。




