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元ヤン×元ヤン=チルい夫婦  作者: 櫻木サヱ


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7/11

街のイベントで大暴れ!

ある日、街で開催される夏祭りの話が舞い込んできた。

地元の商店街が主催する小さなお祭りだが、二人は「せっかくだから行ってみるか」と自然に話を合わせた。


浴衣を着た美月の後ろを、陽太は少しぎこちなく歩く。

「……似合うな、やっぱり」

「うるさいわね。あんたもちゃんと着ろや」


街に着くと、すでに人でいっぱい。出店の匂いや太鼓の音が混ざり合い、祭りの活気が溢れていた。


二人はまず、金魚すくいに挑戦することにした。

「俺、昔やったことあるで」と陽太が言えば、美月はにやりと笑う。

「ふーん。じゃあ負けへんで」


しかし、いざ始めると二人とも夢中になりすぎて、周囲の人々とぶつかりそうになる。

「ちょ、ちょっとどいて!」陽太が叫ぶと、美月も「前見て歩きや!」と返す。


その様子を見ていた子どもたちは、二人を少し怖がりながらも、楽しそうに見ていた。

「この人たち、昔すごかったんやろうな」


金魚すくいを終えたあと、二人はたこ焼きや焼きそばを買い、路地に座って食べ始める。

「……祭りって、意外と落ち着くもんやな」陽太がぽつりと言うと、美月も頷いた。

「うん。喧嘩するでもなく、ただ楽しむだけ。ちょっと不思議な気分ね」


しかし、平穏は長くは続かない。

突如、近くの屋台で子どもが迷子になり、親が必死に探していた。

美月と陽太は自然に動く。


「大丈夫か?」陽太が子どもに声をかけ、美月が親に「ここにおるで」と教える。

まるで昔の荒くれスイッチが入ったかのように、二人は無駄のない動きで子どもを安全な場所へ導いた。


子どもと親は安堵し、二人はちょっと照れ笑い。

「……昔なら、こういうときも喧嘩してたんやろうな」陽太が言うと、美月も笑う。

「今はこうやって助けられるんやもんな。悪くないわ」


祭りの最後には、花火が夜空に打ち上がる。

二人は手をつなぎ、夜空を見上げる。

「チルやな……俺たち」陽太がつぶやくと、美月は肩にもたれかかりながら笑った。

「うん。昔は荒れ狂ってたけど、今はこうやって平和に楽しめる。幸せやな」


元ヤン二人の街のイベントは、ドタバタしつつも、結局はチルで温かい日常の延長線上だった。

荒くれた過去を持つ二人だからこそ、街の小さなトラブルやイベントも、笑いと優しさに包まれる。


こうして、元ヤン夫婦のチルでほのぼのとした日常は、外の世界でも確かに息づいていくのだった。

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