エピローグ
さて、それから、どうなったか?
全ては、ひどく順調に進んだ。
ペイグロッド船長とそのクルーは連合警察に自首し、チャフセックに感謝の言葉を告げながら、自らの母星へと送還されていった。
<逆巻き時計>号は急ピッチでの修理が進められ、新学期には間に合わなかったものの、今では新品同様の姿で、次の航海を待っている。
フェイニア・マコヴナーについては、もう少し事情が複雑だった。意外にも彼女の父親は、商売の道を閉ざされることより、自分が娘のために考えた人生計画を固持することを選び、重力匠の脅迫めいた助言をはねつけたのだ。しかし結局は、フェイニアの粘り強い説得によって、彼女はアカデミーに残り、そしてもちろん、<ゲート>を通ってどこへでも行けるようになった。彼女はあの旅で何か良い影響を受けたらしく、今では父親との関係も、以前よりましなものであるらしい。
そして、チャフセックは、あいかわらずチャフセック船長だ。女性が苦手で、宇宙と自らの船をこよなく愛している。
これで全て終わりか? いいや、そうではない。チャフセックは死を覚悟し、そこから生還したあのとき、自分が一生で最も長い一日を乗り越えたのだと思った。だが、それは間違いだ。
いま、宇宙交易史研究室の前の廊下を、ひとりの少女が走ってくる。ブロンドの髪を結い上げ、蒼い目をした彼女が、息を切らせながら扉をノックするとき、彼はたぶん、それを知るだろう。
彼のトラブルだらけの物語は、まだ幕を開けたばかりなのだ。
終
これで、彼らの最初の物語はおしまいです。
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