轟音
家が無くなっていた。そんな現実に思考停止する中、それは起こった。
ドカァァァァン!!!!!
目の前が真っ白になったと思えばとてつもない轟音が鳴り響き、かつて家があった穴に何かが落ちた。あまりの音に慌てて耳を防ぐ。そして
グオオオオオオオオオオンンンンンン!!!!!!
耳を塞いでいてもわかるほどの獣の声が響いてきた。
(なんだ!?何が起こってるんだ!?)
もはやパニック状態。ただただ眼の前を見つめることしかできなかった。だがこれだけでは終わらない。
『ボスモンスター:フェンリルを倒しました。』
まるで頭に直接響くような機械的な音声が聞こえた。
『ダンジョンが攻略されました。攻略者に報酬を付与します。』
すると穴からいくつもの白い光が飛び出し、俺に吸い込まれていった。
『神器:原初の神鎧を獲得しました。フェンリルの··········。』
また頭に声が響くが俺は唖然として目の前を眺めていた。
「·······ん·······お兄ちゃん!」
ひまりに揺すられ意識が戻って来る。
「あ、あぁ。」
「お兄ちゃん大丈夫?」
「だ、大丈夫だ。と、とりあえずひまり姉に連絡しよう。」
そう言って俺は震える手でひまり姉に連絡した。