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正義のヒーロー

『文字だけの、見えない君を探してる。』スピンオフ作品です。

本編に登場する、怪人エモーションの日常です。

 怪人エモーションだ!

 

 人間というのは、やはりよく分からない。

 人間の生態を調べる実験は今日も続く。

 

 人間は自分達が“正義”だと思っている生き物らしい。

 だがそれは愚か過ぎる!!!

 今日は、怪人という立場から教えてやろう。

 

 ヒーローと怪人。

 誰かを救えば、それはヒーローと呼ばれるのか?

 怪人から人間を守った。地球を破壊する怪人を退治した。

 だから、ヒーローだと!?

 

 いいか、ヒーローも攻撃で街を破壊しているぞ!!

 もう一度言う、ヒーロー側も街を破壊しているぞ!!

 そもそも人間は、常にあらゆる地球生物の環境を破壊しているぞ!!

 一体何種類の生き物を絶滅に葬ったのだ。

 これらは、到底ヒーローの行動ではない。

 環境破壊の怪人は、まさに人間である。

 人間こそが地球を乗っ取り、破壊へ導く恐ろしい侵略者なのだ。

 さまざまなものが人間によって消えていった。今この瞬間にもだ。

 

 海に浮かぶスーパーやコンビニのビニール袋。

 これによって、海の生き物が飲み込んだり、絡まったりし、苦しんでいる。

 人間はビニールをまき散らし、遠隔で遠くからでも環境破壊に打って出るのだ。

 

 ラーメン屋『ことだま』のノートには、誰かが書いた“文字”がある。

 

『誰かを救えばヒーローで、危害を加えれば怪人。それは人間の物差しでしかない。別の生き物から見れば、人間は怪人かもしれない。』

 

 まさに、その通りだと思わないか?

 人間は、人間以外の生き物から見たら十分化け物であり、怪人である。

 そして、怪人エモーションは、怪人と呼ばれているが、本当に怪人なのだろうか?

 

 近頃、他の生き物に歩み寄ろうと、初めて共生することを考えた人間は、ビニール袋を有料化し、エコバッグを使うように世間様にアピールしている。

 しかし、有料になったところで“ビニール袋を買う人間”もいる。

 ある人物は、たかが2円、3円くらい払うよねと鼻で笑っていた。

 何故有料化されたのか、その意味すら知らない。愚かにも程があるぞ!

 しかし、ビニール袋は、それはそれで大事だ。

 これまで、買い物に行き、貰ったそのビニール袋にゴミを入れゴミ出しをする。

 再利用の如く、ビニール袋を無駄にしない生活をしていた人物がいた。

 その人物にとっては、エコバッグを使うようになり、結局ゴミを出す用途のビニール袋を別に買わないといけなくなったらしい。それはそれで、なんだかよく分からない結末だ。

 

 しかし、エコバッグを持ち歩くのが面倒という理由で持たない者。たかが2円、3円くらい安いもんと思う者。そうやって無駄にビニール袋を買っては、結局そこらに捨てる人間は、自分が怪人になっていることをもっと知った方がいいだろう。

 

 雨の日にビニール袋が欲しい人間は、果たしているのだろうか?

 もしかしたら“文字だけの君”だけではないのだろうか?

 何故、傘を持たない! 何故、代わりがビニール袋なのだ!

 雨の日にスーパーのビニール袋を頭の上に広げ、駆けて行く男がいたら、それは“鋤柄直樹(仮)”かもしれない。

 

『人に頼らず、物に頼らずに』

 “文字だけの君”はそう言ったが、ビニール袋も十分“物”だと思うぞ。

 

 

 我こそが正義だという人間よ、ヒーローとはなんなのか?

 教えてくれ! 地球という大きな水槽に飼われている愚かな人間よ。

 

 共生できない人間と、壊れていく地球。

 その感情に名前をつけたなら、それはなんと呼ぶのだろう。

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