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46 えっ、よくある事なの?

「めっちゃ武器持ってるね。」


 覗き込んだ武器の保管庫の中に目を向けて、つい言葉が出てしまう。


「貰い物が多い。微妙に特化効果の付いた武器もあって捨てる事ができない。」


 困ったように話すネロに成る程と頷く。収納の扉を閉めて俺を見たネロが、行くか、と一言呟いて家を出ていってしまった。俺もネロの後を追って家を出て、直ぐの場所にある鍛錬場に入る。


 入る直前、入り口を開け放った瞬間に、前とは違うむわっとした空気が溢れ出てきた。あれ、もう既に誰かいるのか。しかも汗だくになる程の鍛錬か?と思いながら中に入ると、想像より沢山の人達が鍛錬していて驚いてしまった。


 前にここに来た時はほぼ人の姿はなかった。広い空間で一人か、或いは二人ってイメージしかなかった。大勢の人が思い思いに鍛錬を繰り広げる鍛錬場の光景は不思議な感じがする。多分だけど、狩りから戻った人や、その人たちの知り合いが鍛錬で集まってるって事なんだろうな。


 ネロの出現を受けて、中の人達の動きが止まった。談笑をしていた人達も、一人で鍛錬をしていた人も、相手と組んで鍛錬をしていた人達も、一様にネロに視線を注いでいる。視線の集中をネロは全く気にしている様子はない。


 でも、俺が少し汗ばんでいるのに気が付いたのか、ネロが周りを見渡した。天井を見上げて口を動かすネロの形のいい唇から、低い声で綺麗な旋律が紡がれる。心地良い風が鍛錬場の広い空間を走り抜けて、上空の窓のような隙間から抜けて行った。鍛錬場の中のむしむしとした湿度と汗臭い匂いがなくなって、さっぱりとした空気に入れ替えられた感じだ。


 手を引いて俺を端の方に連れてきたネロが、内側には絶対に入って来るな、と念押しをしてくる。了解、っと頷くと、ネロは静かに鍛錬場の中に向かって歩みを進めた。緊張の走る鍛錬場の中から数人が移動していく。


 多分だけど、自信のない若い人や、ネロを傍から眺めていたいらしい女の人は、俺と同じように端に移動して戦況を見守る事にしたらしい。それでも結構な数の人がまだ鍛錬場の中に残っている。ネロが相手にするらしい人の多さに驚きながらも、時間がかかりそうだな、と腰を下ろして見学する事にした。


 鍛錬場の中央に移動したネロがこちらに振り返り、静かに武器を構えて前方を睨み付けた。鋭いネロの視線が冷たく感じて、背中がひやっとする。中に残った人達は、昨日の子供達のようにネロが移動する間は輝いた目をして、ネロを目で追いかけていく。ワクワクが伝わってくる感じだ。でも、ネロが武器を構えた途端に空気が変わって、真剣な表情に変わっていった。


 近くにいた雉虎の人がネロに殴りかかった。ナックルガードっぽいのを指に嵌めてるから、どうやら格闘タイプのようだ。ネロは最小の動きで静かに避ける。移動したネロにすかさず雉虎の蹴りが飛んできた。


 蹴り出された相手の足の側面に自分の足の裏を当てて、蹴り出された力を利用するように斜め後ろに飛んだネロがふわりと着地した。着地した先では灰猫が短剣を繰り出す。短剣の軌道を、手に持った短刀の柄頭を短剣の刃に当てて逸らした。


 灰猫の攻撃を逸らす事で回避した後で、ネロは何か違和感を感じたらしい。追撃を仕掛けてくる近くのクリーム色の猫と茶虎の攻撃を、視線を向ける事もなく躱しながら、ネロが自分の持っている短刀の柄を確認している。攻撃を躱しながら他の作業とか、余裕あるな、おい。


 攻撃を躱して、人の少ない所まで飛び退いたネロは、ズボンからもう1本の短刀を取り出して、左手に持ち、構えた。左手に握られた短刀は、今までメインで使っていたらしい黒糸と銀糸の短刀だ。銀色の刀身に金色の紋様が刻まれた短刀は右手に持ったままなので、二刀流の構えになった。


 片手の時は順手で持っていた短刀を、両手共逆手に持ち替えている。少し体を前屈させながらの構えは、狙いを定める猫のように見えて綺麗。金色の瞳が更に冷たい光を放った。空気が張りつめて緊張する感じ。


 周りで見ている人達のざわっとしたどよめきの声が聞こえる。勿論、軽い悲鳴のような、吐息のような女の人の黄色い声も聞こえてきた。まぁ、普通にカッコいいよね、分かる分かる。あんなカッコいいネロの姿を見ちゃったら歓声くらい口から飛び出てしまいますよね。


 すっと体を沈めたネロが動いた。静かに流れる水のように、滑らかで緩やかな軌道を描きながら広い鍛錬場の中を黒い影が動き回る。短刀を使っているのではあるが、体術も混ぜ込んでいるその戦い方はとても静かだけど的確。自分からは仕掛けない完全にカウンター型の戦い方。


 ネロの動きを予測して繰り出されているっぽい攻撃の数々を、ネロはさらりと躱しては短刀で弾いていく。弾いた時に生じたネロの動きの乱れを好機と見たのか、隙を見逃さないように、長い槍が繰り出された。間合いの長い槍の攻撃を、ネロはあっさりと短刀で絡めるように先端を動かして照準をぶれさせている。


 照準がぶれて動きの鈍くなった槍使いの灰猫に、ネロが跳躍からの蹴りを入れた。着地の瞬間を狙った足払いに対しては、体を捻り片手をついて着地のタイミングをずらす事で避けている。そして、着地して間髪を入れず短刀を持った拳で、足払いを仕掛けた灰の斑猫を殴り上げた。


 ネロの動く先でパタパタと人がやられていく。武器が弾かれたり、蹴り飛ばされたり、殴り飛ばされたり。人によってやられ方は様々だけど、誰一人ネロを追い詰める事はできないようだった。あれだけの物量で攻めても一撃すらも与えられないとか、ネロはマジでヤバ過ぎるだろ。


 カウンター型の戦い方をするネロに対して、まだ残っているみんなの戦法が変わった。距離を取ってネロの動きを見定める事にしたようだ。間合いを取りながら、ネロの攻撃を待っての戦い方にシフトチェンジしたらしいみんなの動きが止まる。止まってはいるけど、一瞬もネロの動きを見逃さないぞって感じで凄い緊張感が伝わってくる。


 カウンター対カウンター、勝負は長引きそうかな、と思ったのも束の間。ネロがふらっと動いた。警戒を解いていない近場の茶猫に向かって一直線に走る。茶猫に攻撃を仕掛ける、と思った瞬間にネロが真横に飛び退いた。


 三人程隣にいた薄茶猫の背後に移動したネロが短刀を下から上に切り上げる。刃物は触れないぎりぎりの切り上げ、首の下程の位置まで拳が移動した後は殴り飛ばした。視線はずっと茶猫に向けたままだったから、薄茶猫の方は油断してたのもあったのかもしれない。


 見てるこちら側でも茶猫がやられると思ったし、茶猫も対象を見失って振り上げた長剣の行き場に困っている。周りの騒めきもどんどん盛り上がっていく感じがする。その間もネロの動きは止まらない。薄茶猫がやられた直後に、更に斜め前に跳んだネロは鯖虎に攻撃を仕掛けた。


 鯖虎は斜め下から切り上げるネロの攻撃を読んでいたらしい。鯖虎が両手に持っていた小型の手斧の刃の下部を素早く交差させた。ネロの短刀が手斧で挟み込まれて、ネロの動きが封じられる。ガチンと金属が衝突する音が鍛錬場に響き渡った。


 動きの止まったネロを好機と取った近場の人達が反応して、ネロに向かって周りから攻撃が降り注がれる。武器を固定されてしまったのを気にした様子もないネロは、挟まれた短刀を軸にして逆上がりをするみたいに地面を蹴り上げた。


 ネロの体が浮き上がって、あっさりと集中した攻撃の数々が躱されていく。地面から浮いた体を捻って鯖虎を蹴り倒し、武器を解放して着地するまでの間に、ネロに攻撃を仕掛けた人達は追加の蹴りで倒れ伏していった。すたっと着地したネロは無傷だ。一撃すらも入っていない。


 しかし、金色紋様の短刀は刃こぼれとか刀身が歪んだりとかしてないのかな。ガチンってすごい勢いで刀身を斧に挟まれちゃったし、その後は刀身で思いっきりネロの体重を支えてたよね。綺麗な刀だけに、もしそうなってたら勿体無い。


 鯖虎達がやられて、間合いを取っていた人達はネロに先制をさせてからのカウンターの無理を悟ったみたいだ。また波状攻撃が再開された。展開はさっきと同じで、ネロはあっさりと攻撃を躱したり、弾いたり、避けたりでいなしていく。


 囲みの外から鎖が飛んできた。周りを囲っている人達で視界が遮られて気付かなかったのか、その攻撃はネロに到達してしまう。先端には分銅がついているようで、ネロの右手を正確に捕らえた鎖が巻き付いた。うわ、ネロピンチ。そう思ったのは俺だけではないようで、女の子達の悲鳴が響き渡る。


 鎖がネロの動きを封じたと気付いた周りの人達が動く前、ぴんと張られた鎖に腕を引かれる前に、ネロが走って跳んだ。動いた先は伸びた鎖の反対側の持ち主の所だ。鎖の主は引いた鎖の反動を覚悟していたのに、反動がなかった事でバランスを崩してしまっている。


 鎖の主の目前に立ったネロの攻撃で、あっけなく武器の鎖鎌が弾き飛ばされた。緩んだ鎖から何事もないように素早く手を引き抜いたネロの動きの後で、ガシャンと音を立てて鎖鎌が地面に落ちる音が響く。


 腕が自由になった途端に、ネロは先程の囲いの群れに突進していった。突進して群れの先頭に到達して、また跳躍で違う猫を攻撃する。攻撃を仕掛けてきた猫にはカウンターでの攻撃を返す。ネロはフェイント型の攻撃が得意なのかもしれない、多分。


 見てて感嘆してしまう程の鮮やかな刀捌きと体術で最後の一人が降参して、一対大勢の鍛錬は終了した。周りで荒い息を吐きながら、倒れ込んだり座り込んだりしている猫の群れを全く気にする事なく、ネロは新顔の武器を確認している。


 少しの確認を終えたネロが黒糸と銀糸の短刀は皮の鞘に入れて、ズボンに仕舞い込んでしまった。そして、金色紋様の武器を順手で持ってスッと構える。さっきの斧での反撃でも武器に不具合はないようだ。ちょっと安心した。


 武器を構えたネロは周りの疲れ果てている猫達の事は目に入らないらしく、集中している。二刀流の時は前屈みで少し小さくなっていた構えも、今は背筋を伸ばして真っ直ぐに立っての構えに変わった。一瞬鋭い目付きをしたネロが、すっと小さく突きをするように短刀を前に突き出した。


 風が動く。フワッと動いた風の中でキラキラと光の粒子が煌めくのが見える。その粒子の下で寝転がっていた猫の一人が、余りの綺麗さからなのか驚きからなのか分からないけど、小さく感嘆の溜息を吐き出した。


 キラキラと光っている粒子がフワッと空中で動くのが見えた。粒子が他の粒子に当たった瞬間から連鎖的に小さな爆発が起きていく。爆発はどんどん加速していく。っやばい。俺はもちろん、みんなやばそうな規模になる事は確実な感じに見える。とてつもなくヤバそう。みんなが粒子の小爆発に釘付けの中、ネロに向かって視線が動いてしまった。


 無表情にその現象を見ていたネロだったけど、俺の視線に気付いた途端に動いた。すっと、もう一度今度は短刀を素早く切り上げた。風が吹き上がる。上に向かっての風が、光の粒子の爆発諸共、空中に浮く全てを上に押し上げた。


 勿論、軌道の延長にある天井も例外ではなく、押し上げられて吹き飛ばされてしまった。天井のなくなった見晴らしのいい空の遥か上空で、キラキラと光が煌めいているのが見える。めっちゃ綺麗。最終的に大きな爆発が起きた。びりっと振動がこっちにも伝わる大規模な爆発だ。ただし、音は何もなかった。


 全ては、ネロが小さく突きをした後の数秒の出来事だったと思う。そして、どうみてもあの爆発の規模は確実にヤバいでしょ。非難の目をネロに向ける俺とは対照的に、ガトのみんなのネロに向ける視線は尊敬、敬愛、熱愛。・・・力こそ正義なのか、ガトは良く分からん。


 天井がなくなってるんだよ。犯人はその人だよ。じと目の俺の視線を受けて、ネロの頬が少し赤くなった気がする。流石にやり過ぎたって分かったのかな。そりゃそうだよね、天井がなくなってんだもん。建物が破壊されてるんだもん。


 屋根破壊の音を聞きつけたからか、アルさんのテントの真横で及んだ犯行だからか、直ぐにマヌさんとレオさんが駆けつけてきた。鍛錬場の床に転がった人達とサイドで見守っている俺達、そして一人で鍛錬場の中央近くに立っているネロと青空の広がる今はない天井で状況を理解したようだ。


 非難の言葉を言いたくても、上司にあたるネロには何も言えないですよね。マヌさんは溜息を吐いて無言で天井に跳び上がり、屋根の確認を始めてしまった。レオさんはきらきらした目でネロを見ている。


 ネロが手に持った短刀に視線を落とした後で、腰に収めてしまったのを見たレオさんは、がっくりと肩を落としてしまった。ネロはレオさんに声を掛ける事もなく、無言で俺の方に歩み寄ってくる。行くか、と一言呟いたネロはそのまま外に向かってしまった。


 ってか、この現状を放置で原因のあなたが帰っちゃってもいいんですか?レオさんに顔を向けると、コクリと頷いてくれたからいいのかな。屋根の上のマヌさんに視線を投げかけてみるも、マヌさんは忙しいらしくこちらを見てくれない。もう一度レオさんに視線を向けて、お辞儀をしてネロの後を追って外に向かう事にした。


 ねっとりとした、多分だけど、嫉妬の視線がべったりと背中に張り付いてくるのを感じる。外に出るとネロが待っていてくれた。目が合って前を向いたネロは、ゆっくり歩き出した。ネロと並んで家へと向かって短い距離を進んでいく。


「屋根を壊しちゃったけど大丈夫なのかな。」


「問題無い。」


「えっ、よくある事なの?」


「よくはないが、偶にある。」


「それは、ネロさんが原因という意味ですか?」


「なぜ言葉遣いを変えたのか理解できないが、俺が絡んでいる事もある。」


「絡むってどういう事なの。」


「少し熱くなった男共が天井や壁を巻き込んで攻撃を仕掛けてくる事もある、と言う事。」


「少し熱くなる、で正しいの?」


「少しだ。」


「そっか、少しか。」


「ああ。」


 少しで建物破壊とか、ガトの能力はいったいどうなってるんだろ。見た感じでは、基本的には細めのマッチョ体格の人が多くて、武器の感じからも所謂スピードタイプが多そうな気がするんだけどな。


 考え込みながら歩く俺の進行を妨げる事もなく、家の入り口を開けてくれたネロの誘導でするっと家に入っていた。サンダルを脱がされて、マントを外されて、そのまま、自然にテーブルに誘導されて椅子に座っていた。


 マントはソファの脇に畳んで置いてくれている。普通にお茶を用意して俺の前に置いてくれて、読み途中の本まで運んできてくれた。俺の向かいに腰を下ろしたネロは、足を組んでリラックスした様子を見せている。


 当たり前のように帰宅後の色々を終わらせて、何事もなかったかのように湯気の立つお茶を飲んでいるネロの姿を認識して、はっとなってしまった。えっと、少し考え込んでいたのは事実だよ。でも、何の疑問も抱かせずにここまでこなすとは、有能執事かよ。なんだよ、この流れるような動作は。戦闘でも流れるような動きだったけど、ここでもなのか。


「さっきのキラキラ爆発は短刀の効果だったの?」


「みたいだな。」


「みたいってどういう事だ。」


「初めて使ったから分からない。」


「初めてって、何の効果がついてるか分からないの?」


「知らない。」


「じゃあ、キラキラ爆発はなんで発動させられたの。」


「勘?」


 だめだ、この人。こんなにかっこいいのにアホの子にしか見えない。大体、武器の効果って勘で発動させられるモノなのか?そんな簡単にあんな大規模な効果が発動してたら怖過ぎるだろ。


(通常、装備品に紋様の効果が付与されている場合、装備に付与されている紋様の効果を理解した上で、所定の手順を踏む事により発動します。例外としては自動で発動する紋様の効果もあります。紋様以外での何かしらの効果が、何かしらの要因で付与されている装備品も存在していますが、その場合の効果の発動条件は、装備品によって異なるようです。何れにしても、勘であの規模の効果を発動させる事は余りない事だと思われます。)


 ですよね。それが普通ですよね。最後のアレ以外、鍛錬中にキラキラ爆発はしなかったって事は、ネロが自分で発動させたって事で正しいよね。自動で発動じゃないよね。


(はい。その可能性が高いです。)


「・・・危険だから、その武器は使うの止めといた方がいいかもだね。」


「琥珀が気に入った武器だ、そのまま使う。問題無い。」


「村の中で爆発させない?」


 一応確認で、爆発は駄目だよって念押しをしてみる。頷いてくれたネロにほっと溜息を吐いてしまった。しっかし、凄い武器もあるんだね。


「その武器も誰かに貰ったの?」


「覚えてない。何かの賞品か報酬だった、かもしれない。」


「賞品って何?」


「どこかの大会で入手した、かもしれないという事。覚えてない。」


「大会って武闘大会とか剣術大会とかって事なのかな。優勝したの?」


 凄い事実を教えてくれてるのに、面倒臭そうに頷いたネロをぼんやりと眺めてしまった。


「昔、何か所かで優勝しただけ。そんなに凄い話でもない。」


 そのままダンマリを決め込んでしまったネロの瞳を見続けると、困った顔をしたネロが口を開いてくれた。


「いや、十分凄いでしょ。何か所かって事は複数って事でしょ?やっぱネロって、この村だけじゃなくて他のトコに行っても敵がいない感じの強さなんだ。屋根破壊の衝撃で感動が薄れかけてたけど、さっきの鍛錬場もヤバかったよね。マジで凄いって見入っちゃったよ。周りで見てた人達も見入ってた。」


 族長よりは弱いけどな、と呟いたネロは話は終了とばかりに、書類の束をテーブルの上に運んできてしまった。俺はソファに移動して読書の時間だ。読書という名の昼寝という方が正しいかもしれない。難解な文字を追っている目と、耳から時々入ってくるさらさらという筆の音で、目蓋が閉じてきて時間が経過していった。

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