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12 先に気付くとか、マジ天才

「まじか、そうだよな。こんなに朽ちた神殿用の橋が同じように朽ちかけて壊れてないとも限らないよな。あの猫の子が普通に渡ってたから大丈夫だと思い込んだ俺のミスだ。甘んじて受け入れよう。」 


(デスボーナスの獲得:ステータスMP 獲得しますか?)


「ん?」


 俺の言葉なんて完全スルーのスツィの淡々とした言葉の中にあるDBデスボーナスの内容に一瞬思考が止まってしまった。


(デスボーナスの獲得:ステータスMP 獲得しますか?)


 い、今MPって言ったよね?MPだよな、魅力じゃなくて。魅力じゃないよな?


(はい。ステータスMPです。)


「獲得で!!」


(了解致しました。)


 淡い緑の光が俺を包み込んだ。光が収まった瞬間、すかさずステータスを確認してみた。



―――――――――――――――――――――

一神 琥珀 【使役士】

〖プラントイド〗

HP:1/1 MP:2/2 DC:13/∞ 

力:1 体力:1 素早さ:1 知力:1 

器用:1 精神力:60 魅力:190

オートスキル:翻訳R.1

スキル:ステータス可視化R.1

魔法:水属性〈浄化〉R.1

   光属性〈照明〉R.1

―――――――――――――――――――――



 思わず眼を擦って二度見をしてしまった。えーっと、スツィさん、MPの上限が1しか上がってないよ?バグだよ?魅力の時は10ずつ上がってたよ?


(『ばぐ』では御座いません。上昇する値は各ステータスによって異なります。MPはデスボーナス1回につき、1ずつ上昇です。ご了承ください。)


「先に言ってよ。」


(聞かれませんでしたので。)


 はいはい、そうでした。安定のお役所仕事のスツィさんですよね。了解です。もういい、朝御飯食べて気分を変える事にする。1とはいえ、MPも一応ちょっとは増えたし気にしちゃ駄目だ。


 扉の外に滑り出たけど、用意されている筈の葉っぱのお皿の果実達がない。眼を瞑って開いてもない。古木に近寄り、幹を撫でながら食べ物をくれと古木にお願いしてみる。


(非常にお伝えし辛いのですが、神殿の前に用意されていた果実は先程のガト族の少女が神殿にお供えとして用意していたものと思われます。琥珀様が古木に用意して頂いていると勘違いしていると思われるため補足しておきます。)


「えぇ、マジで?あの猫耳の可愛い娘が用意してくれてたん?」


 願いに答えてくれたのは古木ではなくスツィだった。素で勘違いしていたようだ。じゃぁ、あの子猫にお礼を言わなきゃいけない、あと勝手に食べたお詫びも言わなきゃじゃん。いきなり最初の目的ができたようである。


 古木の幹を軽く撫でてから、あの子の持ってた如雨露みたいに沢山はあげれないけど、両手に池の水を掬って樹の根に掛けてあげる。食べ物は用意できなくても、扉を開けてくれて、モンスターを足止めしてくれた感謝を伝えないとだからね。


 じゃぁ、行くかぁ、と橋に向かって思い出した。橋、崩れちゃってるじゃん。俺は泳げないし、また詰んでしまった。がっくりと膝をつく俺を慰めるように、古木がさわさわと葉を揺らす。


 古木が応えてくれた気がして、顔を上げると古木の傍から対岸まで根っこの橋ができ上がっていた。がしっと幹に抱き着いて、言える限りのお礼を述べて古木の通してくれた橋を渡る。


「さて、どっちに行けばいいのか。」


 もう恒例となっている独り言を呟いて、取り敢えず崩れた橋の正面の方向へ歩みを進めた。森の中を覗き込んでみると、あの子猫が通ったらしい獣道の入り口が見付かった。この後を辿ってみるのがいいかな。


 森の中に足を踏み出しかけて思い留まる。石ころにすら躓いてリスタートする俺だ。こんな獣道なんかを通ったら、脇から出てる小枝にかすったりとか、木の根に躓いて転んだら終りじゃね?先に気付くとか、マジ天才。


(知力が1の状態では天才と呼ぶことは憚られます。)


 はいはい。言われると思ってましたよっと。一々突っ込まないで。涙目で呟いてしまった。


(了解しました。)


 結構素直なスツィさんでした。さてどうするかぁ、取り敢えず池の周りを一周してみる事にした。池の周りの草原には黄色や白の小さい小花が咲き乱れていて、穏やかな陽気も手伝ってピクニックしている気分になる。


 ぐーっとお腹が鳴って、そういえば今日はご飯をくいっぱぐれた事を思い出した。何か食べ物になる実でもなってないかなと森の中を伺いながら歩いていたけど何も見当たらない。


 一番最初の餓死が頭を過って、首を振り、今は自由の身だとその考えを頭から振り払う。最悪、ここら辺に生えてる草でも食べればいい。水も飲める。外にいるんだからどこにもいける。


 雑念を払いながらちょうど神殿の裏あたり、橋のま反対側の岸に差し掛かった時に、森林が少し開けて獣道より少し広い畦道が姿を現した。道上の木の枝も綺麗に掃われている。


 ここなら俺でも通れそうだ。そう確信して進む事にする。神殿の裏側に道って珍しいよね。普通にイメージすると神殿とかそういう系って、正面に向かう道のほうが多そうなのにね。

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