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幕間・夜のバックヤード

「ニーナは落ち着いたか?」

「あぁ。ホットチョコレートを飲ませたのが良かったらしい。落ち着いて、眠ってくれた」

「ホットチョコレート? 炭の汁ではなく、か?」

「からかわないでくれ、兄者。ホットチョコレートは、なんとか作れるようになった。従業員の健康を守るのも雇い主の務めだと言って、私に人間のレシピ本を渡してきたのは兄者だろうに」

「そうだったな。しかし、そのレシピ本通りに作るために、火力調節の練習までするのだから、お前は本当に真面目で、そして優しい弟だ」

「だから、からかわないでくれと……。それよりも兄者。私は今、一つ、不思議な感覚を覚えている」

「ほう?」

「今日の腹立たしい出来事。ニーナを寝かしつけている間に思い出してな。むかむかとしていたのだが、それと同時に……何と言えば良いのか。こう……あのような人間を、前にも見た事があるような気がしてきてな……」

「ふむ……恐らくそれは、あの本の影響だろうな」

「あの本……。先日兄者が見付けた、我らに名を与えたあの者から託された、あの本か……?」

「あぁ。見付けた際、云十年ぶりに目を通したが……今回の出来事と似た事例が書かれていた。実際に事が起こるまでは何の事かわからなかったが……今となっては、こうなる事がわかっていたかのような書き方だった」

「なんだと……?」

「……弟よ、提案だ。この本を受け取った時の事、この本の内容。今一度我ら二匹で思い出し、確認をしてみないか? そうする事で、あの者の目的、本の意味、ニーナの正体がわかるかもしれぬ」

「目的、意味……ニーナの正体……。……そうだな。そうかもしれぬ」

「では、早速」

「あぁ。あれはもう、何十年前の事であったか……」

「何十年と思っているのは我らだけで、ひょっとしたら、数百年は経っているかもしれぬな」

「そうだな。寿命の短い人間に合わせて数えていると、どうにも時の流れが速過ぎて敵わぬ」

「一つだけはっきりしているのは、あの時、我らは幼子であったという事」

「そうだ。生まれたばかりの幼体で、右も左もわからないでいるうちに現れたのが……あの者だったな……」

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