異世界から異世界だと!?
【翌朝、ロード城、監獄室】
「おはようございます!!!」
キレッキレのお辞儀をするグルモ。
「おはよう」
目をこすりながら返答。
「準備の方、大丈夫ですかね?」
「OK、行こう」
「では、案内します!」
監獄室を出て、儀式を執り行う魔法室へ向かう二人。
「確か、作戦の内容は、何聞かれてもガン無視で急いで転生だったっけ?」
「うす!質問に下手に返答して墓穴を掘るぐらいなら、もうガン無視の方向で行こうかなと」
「強引だね」
「そうっすね、あっ、この先の角を曲がった先から幹部達が待機してるので作戦決行で」
「分かった」
上手くやれるだろうか?
【魔法室前】
幹部達が立ち話をしている。
その前を通り過ぎる高次とグルモ。
幹部達から好奇の視線を浴びる。
突っ切って、魔法室入口前へ。
「ここだ、時間が無い入れ」
外用の話し方に変えるグルモ。
魔法室へ入室。
【魔法室】
部屋の真ん中に大きな魔法陣が描かれている。
恐らく、あれで転生するのだろう。
その魔法陣を囲うように、座席で取り囲んだ円卓を複数設置している。
お洒落レストランの様だ。
そこに座っている幹部達、ガンダラの姿も確認。
「グルモ王よ、本当にその人間を信用するおつもりで?」
「複世廻廊に挑戦させるだなんて、正気ですか!王よ!!!」
「おい!人間!なんの目的で寝返った!何を企んでいる!」
幹部達の質疑を、全く意に介さないグルモ。
「時間が無いのだ、転生準備を」
幹部達の質問を無視して、魔法陣へ向かう高次。
腕時計の方をチラチラ見て、急いでいるアピールとかしてみる。
腕時計、着けてないけど。
魔法陣の上に立つ。
「転生実行!!!」
複数の魔術師達と共に、魔法を詠唱し出すグルモ。
凄い・・・
本当にガン無視で突っ切るつもりだ・・・
心の準備が全く出来てない、そういえば、最初の転生もこんな感じだったな。
でも、そこまで緊張はしていない。
眩い光が高次を包み込む。
「慣れって怖いよな~」
新道高次、二度目の転生完了・・・