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異世界から異世界  作者: こしやす
序章
6/33

サキュバスの甘い罠!?

【ロード城、監獄室】


 魔族軍に加入したとは言え、信用される訳も無く。

 監獄で待機というグルモの指示に従って、過ごす事半日。

 ベットとティッシュ三箱しかない監獄室で過ごすのは、退屈だ・・・


「彼氏が胸ばかり、触って来てさ~」


「こんなヤラシイ下着、着けてるからよ。えい!」


「も~触んないでよ」


 ん?どこからか、女性達の声が聞こえてくる。

 声の聞こえてくる方に意識を向けると、監獄の壁に空いた穴を発見する。


「穴?」


 恐る恐る穴を覗くと、女子トークに花を咲かせる数人のサキュバス達が目に入った。

 よく見ると、何とそこは女子更衣室。


 自分が今覗いている先にある物は、サキュバス+お着替え+覗き見という、男にとってのアヴァロンだった。

 しかし、覗くのを辞め、穴に背を向ける。


 そうさせたのは、高次の幼き頃の記憶。

 普段は寡黙で動じない、偉大な父がアダルトサイトの架空請求に怯え、騙され振り込み、それを知った母に叱られるという地獄絵図の記憶が、高次をアブァロンから遠ざけた。


 そう、高次は知っていたのだ。


 大いなるエロには、大いなる代償が伴うという事を。


「こんな狭い所に、お待たせして申し訳ないっす!!!」


 キレッキレのお辞儀をするグルモ。


「別に良いよ」


「すみません!!!高次さんをここから出せる、良い案持って来ました!」


「そう、あっそれよりサキュバス達の着替え、この穴から丸見えだから、塞いどいて」


「どうでした?楽しんで貰えましたでしょうか?」


「何だよ、その言い草。・・・まさか?」


「はい!用意させて頂きました!あれ?ティッシュ使ってないですね~?」


「ないですね~じゃねぇよ!!!だからか!ティッシュ三箱もあるのは!!!ていうか、こういうのバレたら女性陣達から抗議が殺到するぞ!」


「あっ、それは大丈夫です」


「大丈夫かどうかを決めるのは、男側じゃ無くて女性側だろ!絶対問題になるぞ!」


「大丈夫っす!安心してください!」


「だから!!!」


「あっこれ、サキュバス同意の下なんで、協力して貰ってるんですよ」


「協力!?協力って・・・だからか!!!露骨な下ネタトークしてたのは!何か変だと思ってたんだよ!」


「あっ、それを気にして出来なかったのですか?紳士ですね!今からでも席外しましょうか?」



「良いわ!!!で、僕をここから出せる良い案って?」


「はい、まずは現状から説明します。このまま高次さんをここに置いておく事は無理だと思うのですよ。魔族側に寝返ったとはいえ、王をぶっ飛ばした者をすぐに信用する事は難しいと思うのですよ。ガンダラ達は今すぐ殺せって主張しているし」


「あぁ」


「私が信用して貰えるよう説得するにしても時間が足りない、時間を稼がなきゃいけない、それと高次さんの戦闘力の向上も兼ねて、複世廻廊に挑戦して貰おうと」


「ふくせいかいろう?何だ、それ?」


「それは、使用者を異世界に転生させ、その異世界で与えられた試練を達成すると、次の異世界へ転生、合計五つの世界を渡るというシステムです。」


「えっ?つまり・・・」


「はい、もう一度転生して頂いて異世界で腕を磨きつつ、時間も稼いじゃえって事っす」


「何でもう一度転生しなくちゃいけねぇんだよ!!!それに、まだギルドにも顔出してないのに!異世界チート系か、力は無くても仲間とワイワイやるほのぼの系かまだ判明してないのに!」


「どうか、お願いします!!!これが最善手なんです!」


「それに、異世界で一人で生きていけるほど、強くないし!!!」


「ご心配無く、表向きは一人で挑戦する事になってますけど、こっそりカリンを同行させますので」


「出来るのかよ、そんな事?」


「可能です、この案どうでしょうか?」


「まぁ、一度の転生も二度の転生も同じか。監獄に居るよりマシだろう、乗ったよ」


「ありがとうございます!!!」


「で!いつ出発?」


「明日の朝です!幹部達同席のもと儀式を行います!」


「了解」


「では、手続きがあるので、これで失礼します!!!」


「ほーい」


「ティッシュ水分を含んだ柔らかいタイプなんで、安心して下さいね」


「そんな事を囁くな!!!早く行け!」


「うっす!」


 監獄室から退出するガンダラ。


「複世廻廊か・・・」


 不安だ。

 ん?

 サキュバス達の生々しい悪口が、穴から聞こえてくる。

 もう、協力しなくて良いとグルモが伝えたのだろう。完全オフだ、まぁ普通はこんな会話だわな。

 こっちの方が覗きたかったりするのは、私だけか?

 何て、モヤモヤしながら、儀式決行の朝を待つ。


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