二回戦進出はどっちだ!?
「では、プン選手から料理の説明を」
「ムール アラ プロヴァンスよ。説明なんて要らないわ」
「頂きます」
口に運ぶ審査員。
唇が震える。
「美味い・・・・・・」
あっという間に完食する審査員。
「国宝芋を成功させないと、マズイぞこりゃ」
「でも、1万分の1なんだろ?」
会話する観客。
「続きまして高次選手、料理の説明を」
「はい、国宝芋とリャチャの、バルスープです」
(フッ、辛い味付けが求められるバルスープに、甘みの強いリャチャ?ありえないでしょ。
本当に国宝芋頼みなのね、情けない)
「頂きます」
口に運ぶ審査員。
「ウッ!苦い・・・」
(やっぱ、そうそう上手くはいかないか・・・)
下を向く高次。
「アチャー。勝利の女神から見放された様だな」
「勝負あったな」
会話する観客達。
(もう、終わりね)
笑うプン。
(国宝芋が失敗したなら、プランを変更すれば良いだけの事!)
顔を作る高次。
「加えて、説明させて頂いても?」
「えぇ、良いですよ」
(悪あがきを・・・)
「実は、国宝芋は最初から苦味要因で入れました」
「何と!?」
「バルスープは悪く言うと、辛みしか特徴が無い。もっと、味の層を増やしたいとは思いませんか?」
「確かに・・・」
「なので、苦味の国宝芋と甘みのリャチャを入れました。そう!これは正確にはバルスープでは無い!僕が作った創作料理です!」
「!?名前を教えて頂いても・・・!」
「名前は、〝クランプスーム・僕とリャチャの小さな叛逆同盟〟です」
「!?そう説明をされると、アリなのかも知れない・・・うん!美味しく感じる!!!」
完食する審査員。
(そんな馬鹿な・・・)
「ご馳走様でした。勝者・・・・・」
ゴクリ・・・
「高次選手!!!」
手を高く突き上げる高次。
グルメトーナメント。一回戦突破!!!