前回グルメトーナメント覇者!その名はトマス!!!
「はい、前回のグルメトーナメントを制したチーム、般若カルマの肉料理担当のトマスです」
「何その、フリースタイルダ◯ジョンみたいなチーム名」
「ていうか!優勝者に教えて貰えるの?」
「えぇ、私が手配します。
トマスを呼んでくれ」
「は」
王室を、駆け足で出て行く従者。
「楽しみだね」
「あぁ」
数十分後、ドワーフにしては珍しく高身長な、ダンディな爺様、トマスが到着した。
「ルーカス様、お待たせして申し訳ございません」
「よい、それより」
トマスに説明をする、ルーカス。
「つまり、私の使命は彼らをグルメトーナメントで戦えるように稽古をつけると」
「そうだ、店仕舞いをして、ゆっくりと余生を過ごしている所悪いが」
「いえ、引け受けましょう。グルメトーナメント開催までの二週間の間で、どこまで教えられるのか分かりませんが、やってみます」
「おぉ!では、頼むぞトマス」
「はい。
えっと、高次君とカリン君とホセ君でしたか?
今日から指導を務めさせて頂きます、トマスです、宜しく」
「よろしくお願いします!トマスさん!」
「まだ、この国に来て間もないのでしょう?では、まずはこの国の料理を食べて理解を深めましょうか」
「はい!」
【屋台街】
見渡す限り一面の屋台。
活気に溢れている。
「うぉー!すげー!!!」
「何かのイベント?」
「花火大会と聞いております。それより、お金はルーカス様に沢山頂いてますので、好きなだけお食べ下さい」
お金を三人に配るトマス。
「ありがとう、それにしても凄い数の屋台ね」
「僕の世界のお祭りの何十倍だよ・・・」
立ち尽くす高次とカリン。
「ささ、買いましょう。時間も限られてますので」
「おーい!」
沢山の袋を抱えたホセが、近寄って来る。
「もう買って来たの?」
「あぁ!ほら、美味しそうだろ?」
袋から、買って来たものを取り出すホセ。
「えーと、確かこれがイカ焼きそばで
これがオムそばで
これが塩焼きそばで
これが餡かけ焼きそばで
これが生ハム苺ポップコーン焼きそば」
「焼きそばだらけじゃない!!!最後・・・冒険したわね」
「早く食おうぜ!」
テーブルに座り、生ハム苺ポップコーン焼きそば以外を食べる三人。
「美味しい!!!こんなの食べた事無いわ!」
「美食王国って、言われるだけあるね」
「お口に合ったようで良かったです」
「何か、味が奥深いというか、口いっぱいに広がるというか」
「お目が高い!それは、フクースナパウダーの効果でしょう」
「フクースナパウダー?」
「はい、この国に伝わる調味料です。ほぼ全ての料理に使用されております」
「へぇー」
「しかし、高価な物なので一流レストラン以外は、何十倍にも薄めた物を使っておりますが」
「何十倍に薄めてこの旨さかよ」