ぱられる☆とらべる ~イジメられてるあの子を救え! あの子が私で私があの子!?~
ゴキブリが口の中で暴れる。
いきなり人の口の中に放り込まれたゴキブリからしたら至極当然のことだ。
私の舌の上で、奥歯の裏へ、足をバタつかせて暴れ回っている。
一方の私はというと、口を男子の手で塞がれて虫を吐き出すこともできず、ただただ口腔内を小さい肢が引っ掻く感触に泣き叫んだ。
いや、正確には叫べるわけもなく、声にならない呻きを喉奥から捻り出すしかない。
涙が溢れ、視界が歪む。必然、鼻水も溢れるわけだが、口が塞がれている現在、鼻から呼吸をするしかない。鼻をすすることも許されず、無様に鼻水を撒き散らした。
鼻紙でかめればまだマシだが、両手、両足をこれまた男子たちに強く拘束えられて叶わない。
「ん゛ん゛ん゛ん゛」