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巫御琴
・1つ目のアビリティ【歪曲】 概念すら捻じ曲げてしまう
一ノ瀬啓太
・高校教師
・アビリティ【記録】この世の記録を知ることができる
遺伝子操作した研究者
・アビリティ【歪曲】
「御琴… お前そろそろ授業受けろよ」
「なんで? この学校、テストの成績よければ卒業できるから入学したんだけども」
「はぁ… 俺もお前が準備室にいるのバレれば終わりなんだけど」
「大丈夫でしょ、旧校舎の物理準備室なんて教室棟から1番遠いし」
「でもなぁ…」
「それに、幽霊もでるしね」
「それはお前の仕業だろ? ったく…お前のアビリティでそんなのできるとは思えないんだが、どうやってんの?」
「企業秘密だよ」
「それで? なんか用事あんのかよ、今日は」
「かわいい生徒の相談に乗ってほしいんだよね」
「相談? お前が?」
「そうそう、ということでこの部屋ロックかけてくれない?」
「…その相談はどういうものだ」
「白呪にも本家にも言えないこと」
「そんなこと俺に話していいのかよ」
「逆に、なんにも関係ないから話せるってこと」
「言いたいことはいろいろあるが… ま、いいか… 相談ってなんだ」
信じてもらえるだろうか、信じてもらえなかったらどうすればいいのだろうか。
「先生は、啓太はさ、わたしが未来からきたって言ったら信じる?」
「…信じれる」
「なんで」
「だってお前のアビリティなら世界軸を移動することくらい簡単だろ?」
「そうだけどさ、このアビリティで前例はないじゃん」
「そりゃあまあ、アビリティが発見されてからまだ年数ないし」
「それでも100年は経ってる」
「たった100年だろ、それに前例はみつかってないだけだ」
「みつかってない…?」
「俺のアビリティで調べたことがあるんだよ」
「それって禁忌を犯した人がいるっていうことじゃない…」
「よく気づいた、だが俺のに似たアビリティでなかったことにされていたんだ」
「それは、何年前のこと…?」
「アビリティが発見された年にだ」
「発見された年にもうそんなにアビリティを使いこなせている人がいたんだ…」
「まあ、お前と同じのアビリティを持っていたのは遺伝子操作した研究者だよ、」
お前ならもうそこまで調査終わってんだろ?、と。
「…バレてたんだ、でも啓太と同じアビリティは持ってないんじゃないの?」
「それは、そいつの兄が持っていたみたいだ」
「【記録】を持っていた…? それこそ前例は知らないよ」
「【記録】じゃない【改変】というアビリティだ、俺のに似たアビリティって言っただろ?」
【改変】…? まさか…
「もしかして、それって」
「そう、巫家の人間だ、記録操作じゃなくて記録改変というところかな」
「巫家で禁忌を犯した人間のことはよく知ってるよ」
祖父のアビリティで今も生かされていて拷問をかけられているって聞いていたけど…
「きっとお前が察している通りだよ」
「…ねえ、啓太の【記録】って何でも分かっちゃうんだよね」
「まあ、分かろうとすればな」
「禁忌について分かることを教えてほしいの」