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巫御琴
・高校2年
巫琴葉
・高校3年
・[神の祝福]を受けているとされている
白呪
・神の遣いだが今は巫家に仕えている
東堂和人
・高校2年
・アビリティ【雲隠】身を隠す、周囲の探知 等
高島晴喜
・和人の幼馴染
・高校教師
「ごめんね、白呪…」
「なにがごめんなんだよ、夢でもみてた?」
「え? あ…」
ちゃんと過去に戻れたのね。
「おい、そんなにぼーっとしてどうしたんだよ」
「なんでもないよ、ちょっと変な夢をみてたみたい」
「変な夢って?」
「未来の貴方と話す夢」
「へぇ? 未来の俺と、ねぇ…」
「ただの夢よ、気にすることないわ」
「…分かったよ」
「あ、今日って何日だっけ?」
「今日? 4月13日だよ、学校はいいのか?」
「あー… んー… 授業はいいかな、学校には行くけど」
とりあえず学校に行って、啓太に相談に乗ってもらいたい。
「了解、俺はなんか呼び出し食らったから本家に行ってくる」
「いってらっしゃい」
「ああ、じゃあな」
白呪が不思議がってるけれど、大丈夫かな…
本家に呼びだされたのはわたしの思念体がきたことによる時空の歪みのせいだろうし、それも啓太に記録操作して貰うことにしよう。
はやく着替えなくちゃ…
思い出していつも通りのように学校の準備をする、
ああ、この制服懐かしい。
もう1度皆と会えるなら、ゆっくり生きたいという欲がでてきてしまう。
猶予は1年もない、4ヶ月だけ。
その4ヶ月後には全てが終わってしまう。
いや、終わらせてはいけないのだけれど。
わたし1人ではどうにもできない。
1人じゃなにもできないのだ。
「おーい、御琴ー」
わたしを呼ぶ声、全てが久しぶりで懐かしく思える。
もう2度とこれを無くしたくはない。
「おーい! 御琴!!」
「あ、ごめんごめん」
「どした? ぼーっとしてるみたいだし」
「何でもないよ、行こっか」
最低限の人しか巻き込んではいけない。
失いたくないものが多すぎる。
彼には、話してはいけない。
「お前今日は授業受けんの?」
「受けないかな、やることあるし」
「そのやることってなんだよ、サボりじゃねえの?」
「半分サボり、半分はアビリティについて調べてる」
「へぇ、それが最近旧校舎に通う理由か」
「あら、バレてたの」
「まあ俺のアビリティを応用してみえただけのことだから他の奴らにはバレてないだろ」
そっか、【雲隠】は自分が設定した範囲の探知もすることができるんだっけ。
「和人がバラさなければね」
「バラさねえよ、信用しろー?」
「信用するから、担任には上手く伝えておいてね」
「なんで俺がそれしなきゃいけないんだよ…」
「あら、だって高島先生は和人の幼馴染でしょ? ならそういう融通も効くだろうし、ね」
「だからってなあ…」
「それに、テストがよければ何でも許されるみたいだし」
「それは頭のいい問題児の先輩方に先生達が逆らえないだけだろ」
「わたしに先生達が逆らえると思えないのだけれども」
「…負けたよ、分かった分かった、晴喜にはうまく伝えとくから」
「賢明な判断ね」
「お前に逆らえないのは俺も同じだよ」
「わたしそんなに怖いかな?」
「お前っていうより、お前の家にだな」
巫御琴の家は巫女の家系で[神の祝福]が発現しやすい。それは巫家が格式の高い名家だからということだが。
御琴はそんなものを嫌っている。嫌いになってしまったのだ。
[神の祝福]なんていらないのに…
そんなのただの縛りでしかないのに…
「そんなに怖い? わたしのお家」
「当たり前だろ、琴葉さんが[神の祝福]を受けてるみたいだしな」
「お姉ちゃんねえ…」
「どうした?」
「何でもないよ、学校着いたし後はよろしくねー」
「あ、ちょ、おい!」
「なあに?」
「…お前、あんまり変なことに足を突っ込むなよ」
「ふふ、了解〜」
「お前なら分かるだろ? 禁忌に踏み入るのがとれだけのことか」
「その口ぶり、和人は知っているみたいね」
「…さあ、どうかな」
「和人こそあんまり深いところまで踏み込まないほうがいいかもね」
「分かってるよ、じゃあな」
「またね〜」
和人はなんで禁忌について知っているのか、藤堂家のことも調べてみなきゃいけないかな
神の祝福→
これを受けた者は年を重ねると人間格から準神格にあがる。
巫女の家系に発現することが多い。
この世界では人とは違うなにかとして畏れられ崇められる。
人間格→
能力等あるかないか関係なく生きている普通の人間
準神格→
神の遣いがここの地位
神格→
神様