初めての出会い
俺は、荒井純 とある都内の高校に通っている学生
17歳 ある事情で、頭に長いハチマキをしている
「くっ、しつけえな!!」
今日もヤンキー共に追いかけられる毎日
「今日も貴様はあの〇〇様を倒しただろう!!」
「そんなやつ知らねえ!!俺はいじめる奴は大嫌いなんだよ!!」
なんでか俺は、正義感が強い
なんでもない他人を助けてしまう
それが災いになったりするんだけれど
「……っ!!」
校門に近づいたのに、奴らは離れない
「本当に、しつこいぞ」
「っははは!! 今はお前1人だからな!!倒すなら今だ!!」
俺は、怒りを顕にして、雷を呼び起こした
これが、後になる能力者だとは知らずに
「喰らえ!!!」
一般人を、雷で倒した
また明日もヤンキーから追いかけられる
どうにかしたいが、これが中々手がつけられない
俺は病院で働く予定の1人息子
父親は荒井病院にいる教授だ
母親は俺が幼い間に離婚した
「俺もヤンキーやめてえよ」
「早く辞めるんだな それに、その自然と現れる雷もなんなのか、原因を探らないと」
「一般人に迷惑がかかるんだよなあ」
俺は、能力者っていうことも分からなかった
なんで俺の体から雷が生まれるのか、不気味で仕方がなかった
それが原因で、高二の春、彼女とも別れた
「なんで、こんなもんが、俺の身体に…っ!!」
雷が発生するのは俺が情緒不安定なときだった
イライラが収まらないといつも天気が悪く、雷を発生していた
天気のせい、だと思っていたのに
「だめだ、もう、どうしたらいいのか分からねえ」
「……純 お前、戦う気はあるか」
「親父?」
親父に連れて来られたのは、大きい、建物が3階ぐらいまである施設だった
「ここは?」
「ここは能力者施設っていうんだ その雷を発生させる力、お前も能力者だな」
「なんで、分かるんだ?」
親父は手のひらを俺の前に翳した
「私も、能力者なんだよ」
「親父も…!?」
「私の上司に会ってくれ」
中に入ると、広いロビーが俺を待っていた
「あっお客様ね!」
迎えにきてくれたのは、女性だった
「はじめまして 」
「はじめまして!私はここで働いている新野みづきって言います あなたは…」
「俺は荒井純 まあ大きい身体だけど、あまり怖がらないでくれ」
「っははは!確かに背は高いしたくましいわね!ちょっと待ってて!司令官呼ぶから!」
茶髪でロングヘアな、白いTシャツを着たお姉さんだった
「あの子しか能力者がいないんだ ここには」
「なんだって!?」
「あの子の予知能力と、情報を駆使して今まで防衛してきた それが、戦う人材が欲しいとは、いよいよ限界か…」
親父がぼやいているのが気になったが、俺は構わず司令官室へ向かった
「ああ、君が荒井純かね?誠がいるということは」
「はい、はじめまして」
扉を開けると、異様な出で立ちの人がそこにいた
白いクローク姿の、透明な人物
「私は、シルヴァ・トラーズ 君たちの指揮官だよ よろしく頼む ここは、能力者になるための施設だ」
「よろしくお願いします!!」
「荒井純… 既に、自分の力に気がついてるようだね」
「……っ!!」
司令官は俺の名前のファイルを調べていた
「私ももう1人、仲間を呼ぶ予定だが、そいつも既に自分の力に勘づいているようだ」
「へえ、能力者って多いんですね」
「これから、更に増えるぞ あいつが暴走すれば」
隣で俺の親父の体が強ばった
「誰、なんですか」
「……"蒼山貴明" 今時点で最強の、能力者だ」