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第3話 討伐対象はヒュドラですの。太刀打ちできない? なら俺、自分自身がドラゴンになれば良いんですの


〖ヒュドラ翠湖〗


「ねえ? 此処どこ?」


「ヒュドラの巣ですわ。勇者 奏音(かのん)様」


「……ねえ? 何で凌久君は女装してるわけ? 後ろの人達はエキストラ的な何か?」


 タキシード姿に男装した女の子。日本のトップアイドル〖天音 奏音〗が俺に質問しまくってくる。

 

 今は後ろにナンパ男とそれに引っ掛かった女性数名が入るんだぞ。日本にいた時みたいなノリで喋れるか。


「シュトラ様。私達の目の前でヒュドラを倒して下さるんですか?」「素敵ですわぁ~」「流石です!」


「ハハハ、任せておきたまえ君達。勇者君も無事に召喚され、加入した事で僕達のパーティーはより強くなったからね。これでヒュドラも倒せるさ」


「「「キャー、頼もしいです~! シュトラ様~」」」


「……ねえ? 後ろの人達は何なの? どっかの芸能事務所のタレントさん?」

「違いますわ。あの騎士の方は〖炎星の護り手〗のヒュトラさんです……その取り巻きは存じ上げませんが。そして、私の隣に入るのがウィスタリア家のメイド兼賢者のロイですわ」


「うん……よろしく……勇者さん」

「あっどうも……」


 ロイは内気な性格な為、普段から余り喋らない、奏音への挨拶も陰の者の挨拶の仕方になってしまった。


「ねえ? 凌久君。この何か大人しい娘だね。反応薄いんだけど」

「奏音さんのスターオーラに圧倒されているんですわ。それとその呼び方はここではNGですので止めて下さい」

「は? 何言ってんの? 凌久君は凌久君でしょう? ていうか、何で女装してるのよ。凌久君が意識失った後、皆、大変だったんだからね。私、何か、凌久君の為にアイドルを卒業して俳優になろうと…」


「おいおい。君達、何を三人だけで盛り上がっているんだい? 勇者君もそんな堅物のウィスタリアと話していないで、後ろの可愛い女の子達と会話をしないかい?」


 後ろで女の子達と会話をしていたヒュトラが俺達の会話に割り込んで来た。このシュトラと言う男、過去に俺に手を出そうとしてきた為、ロイと返り討ちにした事があり、未だにその事を根に持っている。


「シュトラさん……そろそろヒュドラが出現する地点に付きます。連れてきた女の子達を一端、設置した拠点に避難させて下さい」


「堅物のウィスタリア! 僕は今、勇者君と会話をしているんだ。話かけないでもらおうか」


(ねえ? 凌久君。この人、私を男の子と勘違いしてない?)

(……気のせいですわ。それとその名前をコイツの前で連呼するな。奏音)

(あっ! やっと素を出した。何でずっと演技してるのよ)

(いいから、ヒュドラの討伐が終わるまで、その名前は禁止だ。落ち着いたら色々と教えてやるから)


 俺と奏音がひそひそと会話をしているとヒュトラが機嫌悪くなり始めた。


「おいおい。君達、僕を無視して何を内緒話をしているんだい?」


「……すみません。ヒュトラさん、勇者様とヒュドラ戦の作戦を立てていましたの」


「作戦? おいおい。ヒュドラは先日のドルドラゴの戦士によって、致命傷を負わされ湖のそこに沈んだんだろう? 今回はその止めを刺し、僕の名声を更に高める為に……」


 こいつはいったい何を言っているんだろうか?

今回はヒュドラ討伐が依頼だろうが、まさかクエスト内容も把握していないのか?


「ヒュトラさん……貴方」

「セレス……来るよ」


「シャアアアアアア!!!!」


「来る? 何? 映画の撮影? 凄い! 本物のドラゴンみたい!」


 大型のヒュドラが翠湖から突然飛び出して来た。それを見た奏音は大喜びし。


「ち、致命傷のヒュドラじゃない?……話と違うぞ。ギルド長! クソッ! こんなの勝てるわけない」


「ヒュトラ様。あんな化物早く倒してぇ!」「私達にカッコいい所を魅せて下さい」「昨日の夜、ベッド上でお聞かせてくれた剣技の出番ですわ」


 ……昨日の夜、ベッドの上だと? ヒュトラの奴、女になった俺と違って、ナニが付いているからと好き放題やりおって。


「ふ、ふざけるな! 僕は逃げるんだ! あんな無傷の化物に勝てるわけないだろう!」


 ヒュトラは突然、俺達が歩いて来た道を大慌てで逆走し始めた。


「ヒュトラ様?」「どちらに行かれるんですか?」「私達はどうすれば良いんですか?」


 そして、ヒュトラが夜を共にした娘達は置いて行かれてしまった。


「シャアアアアアア!!」


「凄い! 凄い! 大迫力!」

「セレス。来るよ」


 奏音は喜び、ロイは魔法陣を展開し始めた。


「ロイはそこの女の子達と奏音さんを守っていて下さい……私はあのヒュドラを対象します」


「うん……邪魔な剣士が居なくなった今が討伐のチャンス」


「ええ、ヒュドラはドラゴン……ドラゴンにはドラゴンですわ。〖龍火逆鱗〗」


 俺は自身に魔法をかけた。この世界で覚えた魔法を……自身を龍化する〖龍火逆鱗〗を。それをかけるとどうなるかって?


 俺が巨大な龍に変身するんですの!


「ゴアアアアア!!!」


「嘘? 凌久君が大きな龍に変身しちゃった? これも演出か何かなの?」

「ううん……あれは龍化の魔法。セレスの得意の魔法の一つ」


「シュアア……」


「消し炭になりなさい。〖火炎〗」


「ガァ……シャアアアアアア?!!」


 俺が口から放った炎のブレスにより、ヒュドラは一瞬で丸焦げとなり、息を引き取った。


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