第2話 勇者召喚はトップアイドルが召喚されました
俺が転生した世界は〖アカ〗と言って、魔法が発展した世界だった。
そんな世界に赤子として転生して数日後に全能の神とか名乗る胡散臭い光の玉が突然、俺の夢の中に現れた。
〖……よお。少年だった娘よ〗
「ここはどこだ? それにアンタは誰だ?」
〖全能の神だ。まず始めに娘には謝罪を述べる〗
「謝罪? 神様が俺に? な、何でしょうか?」
〖ああ、本当はあの屈強な男がレンガにぶつかり、こちらの世界に転生する予定だったんだがな。間違えて少年だった娘の頭の上にレンガを落として、転生させてしまったのだ〗
「は?……おい。全能の神、今、お前、何て言ったんだ?」
〖間違えて少年を娘に転生させてしまってな……ハハハ、全能の神にも間違えはあるものだな〗
「……いやいや、笑えない冗談を言ってんじゃねえですよ。地球には俺の芸能活動を応援したくれているファンの人達が沢山いるんだ! その人達の為にも俺は俳優として、芸能人として頑張んないといけないんだ!」
〖それはもう無理な話だ。お前の身体はもう土の中で眠って入るのでな〗
「なっ? それって俺の身体は埋葬されたって事か?」
〖……こちらのミスであった故、娘には莫大な魔力と魔法の才能を与える。これがこちら側でできる最大の謝意である。許せ〗
「ゆ、許せって! ちょ、ちょっと待って! 待ってくれ。そんな才能はいらない! だから俺を元の世界に地球に戻してくれえ!」
そんなやり取りから15年程経ち、俺は〖アカ〗の世界の貴族〖ウィスタリア家〗娘として産まれた。
このウィスタリア家というのは、かなりの名門で、遥か昔から優秀な魔術師を輩出してきたとの事。
そんな家に産まれた俺は特に魔法と魔力の才能が飛び抜けていたらしく、何故かこの世界を救う為の魔術師に選ばれてしまった。
それもこれも手違いで俺の頭にレンガを落とした全能の神せいだ。
そして、今日はこの世界〖アカ〗の何処かに居るとされる勇者を呼び出す
「これより勇者召喚の儀に入る。魔術師 セレスティナ・ウィスタリア殿 賢者 ロイ・マスドレア殿」
「ええ、神官 ルルト様」
「うん」
「宜しい…そして、シュトラ殿はまた不在か」
「後で来ますわ。そうですよね?
ロイ」
「うん……」
芸能人から魔術師にジョブチェンジして早、十数年。無口の賢者娘とチャラ男の剣士と共にシュドラを討伐する為に召集されたんだが……相変わらず。この賢者娘とは会話が続かんな。
そして、三人では心もとないとか、ナンパ剣士殿が言い始めて、急遽、勇者召喚の儀を行う事になったんだよな。その言った張本人は恋人と遊びに行ったんだけど。
「それでは勇者召喚を執り行う。天は繋ぐ空の彼方を行くすえて……」
……俺はボーッと神官の祝詞を静かに聴いている。思い出されるのは転生してからの今までの事。
俺には魔法の才能があるからと、幼少の頃から今日まで魔法のスパルタ特訓。その合間に貴族の礼儀作法や勉学を叩き込まれ、ある程度成長すれば男達からの求愛、求婚、ストーカー、後は拐われそうにもなったか……ろくな日々を過ごせなかったな。
「……故にこの〖アカ〗へとたどり着かん」
俺が転生後の過去の事を思い出している間に勇者召喚の祝詞が終わりにかけていた。
さて、どんな勇者が来るのだろうか? 以外に興味津々だったりする。
「出でよ! 勇者よ。〖アカ〗へ」
ボワ~ン!
床にかかれていた魔法陣から白い煙が部屋の中に広がる。その中からこの世界の勇者が現れて……
「皆!! ありがとう!! 私、私、親友だった彼の為にも、もっと頑張るから! だから、これからも応援ヨロシクねえ……あれ? ここは何処?」
魔法陣から現れた勇者はアイドル衣装を着た少女だった。
「……は? 奏音……何で男装してるんですの?」
「……その声は凌久君? 何で此処に居るの? 女装して何てしてるのよ」
「イヤですわ。私は元々、女の子ですわ。勇者様」
「……ドラマの撮影? 似合ってないよ。凌久君」
十数年振りにあった子役時代からの友達にダメ出しされる元芸能人であった。




