推し声優がベッドに
5歳のコンビニバイトだった主人公は、ある日突然倒れ、そのまま目を覚ますと、全く異なる世界に転生していた。目の前に広がるのは、アニメ業界が支配する世界で、主人公はその業界のプロデューサーとして新たな人生を歩んでいた。だが、その世界では、声優たちとの権力争いが繰り広げられ、欲望がすべてを支配している。
主人公が最も驚いたのは、かつて自分が熱狂的に応援していた早澤いのりが、今や自分のセフレとなっていることだった。推しであり、業界トップの実力派声優であるいのりとの親密な関係に、主人公は困惑しつつも次第にその現実を受け入れ、欲望に振り切った生活を始める。
いのりとの関係を続ける中で、主人公は他の女性声優たちとの絡みも避けられなくなる。業界内での立場を確立するため、彼は策略家である佐宮真礼、清純系だが腹黒い小倉沙織、そして枕営業も厭わない野心家天野李依といった女性たちと、時には甘い関係を築き、時には冷徹な決断を下す。
第1章:転生の朝
目を開けると、見慣れない天井が広がっていた。
「え……?」
俺は驚いてベッドから飛び起きた。どうしてこんなところにいるんだ? そして、目をこすりながら周囲を見渡すと、そこはどう見ても豪華なインテリアの一室だった。
「……ここは?」と、目を凝らしながら辺りを見渡す。
その瞬間、部屋の扉が開き、1人の女性が入ってきた。その顔に見覚えがあった。いや、むしろ、かなり鮮明に覚えていた。
「おはよう、プロデューサー」と、女性がにっこりと微笑む。
その女性の名前は早澤いのり。俺が転生前から一番応援していた、業界でも有名な声優だ。
「え、え……?」俺はただ、呆然と彼女を見つめることしかできなかった。何が起きているのか、全くわからない。
「どうしたの? 朝から元気ないね」と、いのりが心配そうに言う。だが、その言葉に込められた優しさが、俺にとっては異常なほどに重く感じられる。
「……君、どうしてここに?」と、思わず聞いてしまう。
すると、いのりは少し照れたように笑って言った。「だって、プロデューサーが昨日帰った後に、私のところに寄ってくれたじゃない。約束通り、今日は一緒に過ごすんでしょ?」
その言葉を聞いて、俺はようやく状況を理解し始めた。これは転生した後の世界で、しかもいのりと男女の関係にまで進んでいるということだ。
「おいおい、ちょっと待てよ。俺、確かコンビニでバイトしてたはずだ……」頭を抱えたが、どう考えてもおかしい。転生する前の自分の記憶はしっかり残っている。
「えっと、これは……何かの間違いか?」と、戸惑いながらも、いのりに尋ねてみる。
「間違いじゃないよ。プロデューサー、私と付き合ってるんだよ?」いのりは、微笑みながらもどこか挑戦的な顔を見せる。
その瞬間、俺は混乱していた。いのりが俺と付き合っている? いや、付き合っているどころか、セフレになっているという現実が目の前にあるという事実に、俺は呆然と立ち尽くしていた。
第2章:転生前の俺
俺は転生する前、ただのコンビニバイトだった。35歳を迎えようとしているアラサーの男。俺には特別なスキルもなければ、目立つ存在でもなかった。毎日、決まった時間にコンビニに立ち、単調な作業をこなす日々。それでも、そんな生活に少しだけ満足していた。
だが、ある日突然、目の前に現れたのは、いのりが出演するアニメの新作発表会だった。
その日は、珍しく昼の仕事を早めに終わらせて、夜遅くまでアニメイベントを楽しんでいた。いのりは、そのイベントでも相変わらず輝いていて、目を奪われるような笑顔を見せていた。僕はただ、テレビ画面越しに彼女を応援していただけだった。
しかし、仕事から帰る途中、突然身体に異常を感じた。倒れそうになりながらも、どうにか自宅に帰り着き、そのままベッドに倒れ込んだ。
その晩、俺は寝込んだ。
そして、目を覚ましたのが――この部屋だった。
転生してきた俺の目の前には、かつての推し声優であるいのりが、俺と親密な関係にあったという現実が、今、目の前に広がっている。
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