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神の庭園〜箱庭管理人〜 テンプレ破壊の復讐神、異世界へ降臨す。  作者: coz
第四章【東国】〜専用武器と列王サーレック〜
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77話 和解

セイトを懲らしめようとしていただけのレン、まさかのカリンまでもが登場し、この世界に来た時の絶望が蘇る。


中でもカリンに対しての感情は、筆舌に尽くし難く、鼻くその次に恨んでいると言っても過言ではなかった。


感情を抑えられなくなったレンは、無表情で作業のようにカリンを殴り続けていたが…突然、肩にそっと手を置かれ、我に返る。



「ラルファ…か」

「オレの為にありがとう、でも、もう十分だ、そのへんにしてあげてくれ」



違う、そうじゃない…そうじゃないんだよラルファ…でもそうだな、少しやり過ぎだった、コイツらを殺す気は無かったんだったな、反省だ…



「すまんなラルファ、これはお前を攫われた怒りだけじゃないんだよ、偽装解除」



ある程度強くなれた、逃げるだけなら瞬光でどうにでもなる、そろそろ潮時だろう。



「なっ!誰だお前は!」

「これが俺の本当の姿だよ、名前も偽名で、本当の名は…レンだ」

「「!!」」



この世界に来た時に一緒にいた男、騙して、貯蓄を搾り取り、深層に打ち捨て、死んだはずだと思っていたが…生きていた、ラルファよりもセイトとカリンの方が激しく反応した。



たとえ死んだ扱いになっても、顔を見れば思い出すものなのか、なら今地球に帰れば、母さんも俺のことを思い出してくれるのだろうか…いや俺のほうが記憶を失うのか、でも転移を覚えて自分の力で行ければ…あぁいかんいかん!またごちゃごちゃ考えてしまいそうになる、それよりもコイツらだ。



「レン、だな、分かったよ、オレは今の姿のほうが好きだぞ、親しみがある、前のは少し人間離れしてたからな、それにしてもレン、お前いい体してたんだな、少しデカくなったぞ」

「ん?そうかな?自分では分からんな、とりあえずちょっと待っててくれ、少しコイツらと話すことがある、コイツらは同郷なんだよ」

「話の流れからそんな感じはした、やり過ぎないようにな、じゃなきゃ武器は売らんぞ?」

「おお、それは大変だ、頑張って抑えるよ」

「よし、じゃあ食堂で待ってるから早めにな」

「おう、さて…」

「「…」」

「久しぶりだな2人とも」

「レン兄ちゃんじゃないかぁ、驚かせないでよ〜」

「うるせぇ、兄ちゃんとか虫酸が走るわ、ふざけるのも大概にしろ」

「ご、ごめん」

「カリン…」

「レ…レ、ン、あたしは、おばえに、許されない、事を、じた…殺され、てぼ、しか、た、がな、い…」



なんだ?少し違和感があるな…もう少し感情を抑えよう…ふぅ~…



「少し場所を変えようか、回復」

「!?な、傷が…」

「レンちゃん、回復も使えるの?」

「おい、そこのハゲ」

「は、はいぃ!」



組合長だ、どれだけヤバいやつだか分かったらしい。



多分こいつがラルファを呼びに行ったからな、少し大目に見てやる、次は無いが…



「個室を使わせて貰う、いいな?」

「はぃぃ、どうぞご自由に〜」

「ヘラヘラすんな、気持ち悪い」

「へへへ、すみませ〜ん」



ちっ、なんなんだよこいつは…



「あと、テスラとやら」

「は、はい!」

「最初驚かせちゃってごめんな、お前は何も悪くないのに」

「い、いえ!全部このハゲが悪いので!」

「そうだな、全部こいつのせいだ、おいハゲ!テスラに手当を出せ、お前の給金からな、あとさっき吹き飛ばしたやつの介抱もしてやれ、あれも開拓者を制御出来なかったお前のせいだ」

「はっ、かしこまりました!」



くそ、調子狂うなこのハゲは、性格変わり過ぎだろうが。



ちゃっかり、絡んでこようとした開拓者を裏拳で吹き飛ばした責任もなすりつけるレンであった。



「まぁいい、セイト、カリン、行くぞ」

「ああ…」

「うん…」



2人を連れて、個室に入る。



「いきなり本題だが、何があった?」

「え…」

「分かるのレンちゃん?」

「いや、分からんぞ?でもお前ら何かあったろ」

「鋭すぎない?」

「あたし達は…城から、追放された…」

「ふ〜ん、そうか、誰に追放されたんだ?ルードか?それとも王様か?」

「カノンだ」

「へえ、ルードじゃないのか、なんでカノンにそんな権限があるんだろうなぁ」

「レンちゃん、僕達が言えた義理じゃないけど、カノンちゃんには気を付けたほうがいいよ」

「そうか、いや、忠告には感謝するよ」

「うん…」

「…」

「「…」」



…気まずっ!



「ああもう!分かったよ!とりあえずこの世界に来た時のあれこれは一旦無しだ!」

「でも、あたしは…お前に、う、うぅ〜…」

「くそっ、お前らも洗脳されてたってのかよ、この怒りの矛先はどうすりゃいいんだ…」

「レン…すまん」

「ごめん、レンちゃん…」



眷属じゃなかったのか?確かにティアも予測を交えて話してたからな、それでも一応は神だ、読み間違えるなんて事があるのか?それとも眷属を解除されたのか?鼻くそは人のステータスを勝手に開いていたし、いじったりも出来そうだからな、そのあたりが絡んでそうだ、メインは洗脳とか精神支配、傀儡とかなんとか言ってた記憶もある、最初っから眷属になんてできなかったと思うほうが自然だな。



「それにしてもお前ら渡り人にしては弱すぎねぇ?」

「これもカノンちゃんのしわざなんだよレンちゃん」

「セイト、予測で物を言うなと言ってるだろ、まだ確定ではない、だがレン、確定ではないがカノンが怪しいと、あたしも思っている、お前から…あの、最初の時の…あれだ」

「いいよ気を使わなくても、俺が渡した貯蓄だろ?」

「そう、いつの間にか無くなっていたんだ…貯蓄の表示も消えた…」

「カノンちゃんはねぇ、この世界に来てしばらくしてから、1人で行動するようになったんだよ、それで2週間くらい前かなぁ、たまたま会ってね、姉ちゃんと3人で数日行動してたんだけど、ふらっとまた1人でどっかに消えたんだ、そしたら…」

「貯蓄が表示もろとも消えていたと、カノン…俺だけじゃなく他の4人まで騙してたのか?」

「それは、分からない…そして数日前に、突然現人神様とカノンが2人でやってきて、私達は期待外れだったと、城から追い出されたんだ、あれは現人神様よりもカノンの意見って感じだった…」

「ルードを差し置いて?カノン…怪しいな…」

「その時激しい怒りに襲われて、ふと頭の中のモヤが晴れたようになってな、最初に思ったのはレン、お前の事だった、あたしもレンに同じ事、いや、もっと酷い仕打ちをしてしまっていた事に気付いたんだ、私が殺したようなものだと懺悔してもしきれなかった、セイトはまだ少しおかしかったし、守れるのは私しかいないと、気を張って生活していたんだ、すまないレン、そして生きていてくれてありがとう…どんな罰でも受ける、だから…虫のいい話だとは思うが、また仲良くしてくれないだろうか」



だからさっきは、状況を確かめもせず、お構いなしに攻撃してきたのか、たった一人の家族を守る為に…



「理由は分かったよ、それで?セイトはもう大丈夫そうか?」

「うん、レンちゃんに足折られたとき、夢から覚めたみたいになったよ」

「確定かよ…やっぱり洗脳かなんか受けてたんだな…はぁ、この際だからはっきり言っておくぞ、俺はルードの次にカリンを恨んでいた、また仲良く出来るかどうかは正直俺にも分からない」

「そうか…すまない、不注意だった、現人神様が…」

「なあ、その現人神ってやめてくんない?あいつはただの人間…なのかは知らんが、決して神なんてもんじゃない、もし神であったなら、邪神だよ、あんなの鼻くそでいいよ、もしくはカノンが邪神だったという線も考慮しておくべきだな」

「は、鼻くそか、了解した」

「だからカリン、次は無いぞ、例えお前が洗脳されていたとしても、多分俺は自分を抑えられない、さっきもラルファがいなかったらお前はとっくに死んでいた」

「分かっている、もしそうなったとしても、次は全て受け入れる、先程のように命乞いなんかはしないと誓う、それで…は、鼻くその目的は知らないが、手口は分かってたんだ、全員な、なのに…言い訳になるが、油断していたんだ」

「とりあえずお前ら2人はもっと強くなれ、そして精神を鍛えろ、中央からも離れろ、俺のオススメは北国か東国だな、俺が平定した」

「レンちゃん、どうして生き残れたの?なんでそんなに強くなれたの?」

「お前なぁ、相変わらずズケズケと、技能の楽観視のせいか?まぁそれがセイトの持ち味か、ろくな持ち味じゃねぇけど…それで、あのあと本物の神様に助けられたんだよ、そして、お前達に復讐する為に鍛えに鍛えまくったんだ」

「本当に、すまなかった」

「僕もごめん、レンちゃん」



椅子から立ち上がり、床に土下座する2人、今回はレンも止めずにじっと見つめる。



「分かった、2人の謝罪は受け取った、これでとりあえず、形式上は仲直りって事にしようぜ、さぁ立て、頭を上げろ」

「ありがとうレンちゃ〜ん!」

「やめろ!ひっつくな楽観野郎!俺にそういう趣味はない!」

「レン…ありがとう、一つだけわがままをいいか?」

「いいぞ、もう俺は何も気にしないことにした」

「できれば一緒に付いていきたい…また仲間として受け入れてはくれないか?」

「僕も僕も!一緒にこの世界を旅したい!」

「ふむ…」



それも有りなんだが、俺はソロがいいんだよなぁ、何よりめんどくさいんだよ、はぁ〜、もうすでに受け入れようとしてる自分は、つくづくお人好しなんだろうな、まぁいいか、前とは強さが違うんだ、何かあったら武力行使だな、それにこの2人を鍛えれば、邪神鼻くそを倒す手段が増えるしな、自重なしで鍛えてやるか。



「よし、分かった」

「ほ、本当か!?」

「ああ、前のことは水に流してやる、また学生時代の時のように、よろしくな」

「ああ、あぁ…ありがとう…本当にありがとう…うぅ」



レンの両手を握り泣き崩れるカリン。



「ねえ、僕は?」

「お前は1人でもやっていけるだろ」

「なんで!?ひどくない?無理だよ〜連れてってよ〜」

「冗談だよ、お前はなんかからかいたくなるんだよな、またよろしくなセイト」

「うん!よろしくね〜♪でもからかわないで!」

「分かった、善処するよ」

「その言い方!結局からかわれるやつだよ!」

「「ははははは」」



ふぅ、少し自分がどうなるか心配だったが、大丈夫そうだな、まぁ、これで少しは鼻くそに集中を割けるから結果オーライだろ、あとはシン、エリカ、カノンだな、どうなる事やら。

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